荒井寛方あらいかんぽう

時代	昭和時代
カテゴリー	絵画、書画
作品種別	日本画
プロフィール	荒井 寛方（あらい かんぽう、明治11年（1878年）8月15日 - 昭和20年（1945年）4月16日）は、近代の日本画家。本名は寛十郎。栃木県塩谷郡氏家町（現在のさくら市）生まれ。院展同人。 荒井寛方（あらい かんぽう、1878年8月15日 – 1945年4月16日）は、明治から昭和にかけて活躍した日本画家で、特に仏教画の分野で高く評価されています。彼の作品は、伝統的な日本画の技法と東洋的な精神性を融合させた独自の作風で知られています。 生涯と画業の概要 出身と初期の修業：栃木県塩谷郡氏家町（現在のさくら市）に生まれ、家業は提灯や紋所の上絵師でした。1899年に上京し、浮世絵師・日本画家の水野年方に入門。翌年、「寛方」の号を授かり、鏑木清方、池田輝方、大野静方らとともに「同門の四天王」と称されました。 文展と日本美術院での活躍：1901年に第10回日本絵画協会共進会で風俗画「温和」を出品し、2等褒状を受賞。1907年には第一回文展に「菩提樹下」が入選し、以後も連続して受賞を重ねました。1914年には再興日本美術院の第一回展に「暮れゆく秋」を出品し、院友となりました。 インド滞在と仏教画の深化：1916年、ノーベル文学賞を受賞したインドの詩人ラビンドラナート・タゴールに招かれ、ビチットラ美術院の絵画教授としてインドに渡航。約1年半の滞在中、アジャンター石窟群の壁画模写を行い、インドの仏教美術に深く触れました。帰国後は、仏教を主題とした作品を多く制作し、「仏画の寛方」と称されました。 晩年と法隆寺金堂壁画の模写：1940年、法隆寺金堂壁画の模写事業の主任画家に選ばれ、模写に尽力しましたが、1945年、福島県郡山駅で急逝し、完成を見ることはありませんでした。 主な作品と特徴 荒井寛方の作品は、仏教を主題としたものが多く、特に以下の作品が知られています： 「乳糜供養」：スジャータが釈迦に乳粥を捧げる場面を描いた六曲一双の屏風。 「暮れゆく秋」：再興日本美術院の第一回展に出品された作品で、秋の風景を繊細に描写しています。 アジャンター石窟壁画模写：インド滞在中に行った模写で、仏教美術の研究に貢献しました。 彼の作品は、伝統的な日本画の技法に加え、インドや中国の仏教美術の影響を受けた独自の表現が特徴です。 関連施設と資料 さくら市ミュージアム－荒井寛方記念館－：栃木県さくら市にある記念館で、荒井寛方の作品や資料を展示しています。 荒井寛方インド滞在日誌デジタルアーカイブ：東京外国語大学が公開しているデジタルアーカイブで、インド滞在中の日誌やスケッチが閲覧できます。 荒井寛方の作品や生涯についてさらに詳しく知りたい場合は、上記の記念館やデジタルアーカイブを訪れてみてはいかがでしょうか。