世木田江山せきた

カテゴリー 絵画、書画
作品種別 書 産經国際書会
プロフィール 世木田江山(せきだ こうざん、1935年生まれ、2021年8月11日逝去)は、広島県熊野町出身の前衛書道家であり、現代書道界において重要な役割を果たした人物です。彼は、書道団体「太陽社」の代表や、東洋書芸院副会長、産経国際書会常務理事などを歴任し、国内外での書道普及と後進の育成に尽力しました。

生涯と書道への道
世木田氏は、筆の産地として知られる広島県熊野町に生まれました。1954年に広島大学教育学部東雲分校に入学し、そこで書家・竹澤丹一(たけざわ たんいち)氏と出会ったことが、彼の書道人生の転機となりました。竹澤氏のもとで学びながら、小学校教師として教壇に立ち、書の道を歩み始めました。その後、広島大学学校教育学部や広島女学院大学で講師を務めるなど、教育者としても活動しました。

作風と芸術観
世木田氏の作品は、伝統的な書体にとらわれず、前衛的な表現を追求した点が特徴です。彼は「黒で白を書く」という独自の美学を持ち、墨や筆の概念を超えた表現に挑戦しました。また、「昨日書いたものは、きょうには古くなる。いつも新しいものの追求です」と語り、常に新しい表現を模索し続けました。

展覧会と国際交流
世木田氏は、国内外で多数の個展やグループ展を開催しました。広島そごう、銀座ユニグラバス、熊野筆の里工房などで個展を開き、作品集も複数出版しています。また、東洋書人連合の一員として、オーストラリア、アメリカ、スペイン、メキシコ、ベルギー、韓国、中国など24回にわたる海外展に参加し、日本の現代書道を世界に紹介しました。

教育と後進の育成
教育者としての顔も持つ世木田氏は、多くの弟子を育てました。彼の指導のもと、産経国際書展で国際大賞を受賞するなど、弟子たちも高い評価を受けています。また、広島県立美術館の運営審議委員や、中国新聞情報文化センターの講師としても活動し、地域の文化振興にも貢献しました。

まとめ
世木田江山氏は、伝統と革新を融合させた前衛書道の先駆者として、また教育者として、書道界に多大な影響を与えました。彼の作品や理念は、今なお多くの人々に影響を与え続けています。