武田厚たけだ

カテゴリー	絵画、書画
作品種別	書　産經国際書会
プロフィール	武田厚（たけだ あつし、1941年生まれ）は、日本の美術評論家であり、学芸員・教育者としても長年にわたり活躍されました。特に現代美術、彫刻、ガラス工芸、書など多岐にわたる分野での評論活動で知られています。 経歴と職歴 1941年：北海道歌志内市に生まれる。 1966年：東京学芸大学美術科を卒業し、山種美術館の学芸員として勤務を開始。 1973年：北海道立近代美術館の開館準備室主任学芸員に就任。 1977年：同館の学芸課長に昇進。 1980年：学芸部長に就任し、北海道の美術館運営に貢献。 1987年：横浜美術館の準備室および学芸部長に転じ、副館長も務める。 2001年：横浜美術館を退職。 その後：多摩美術大学の客員教授や富山ガラス造形研究所の顧問を歴任し、後進の育成にも尽力されました。 主な著書と評論活動 武田氏は、幅広い芸術分野に関する著作を多数執筆されています。 『パスキン パリの憂愁』（1981年、北海道新聞社）：日本で初めての本格的なパスキン作品集。 『現代ガラスの魅力』（1992年、芸術新聞社）：現代ガラス芸術の魅力を紹介。 『岩田藤七のガラス芸術』（1993年、光村推古書院）：ガラス工芸家・岩田藤七の作品を解説。 『現代ガラスの表現』（1999年、有隣堂）：現代ガラス芸術の表現手法を探る。 『彫刻家の現場（アトリエ）から』（2014年、生活の友社）：現代日本の彫刻家101人を取り上げた大著。 『美術でさぐる現代の書』（2019年、生活の友社）：現代の書芸術を美術の視点から考察。 『戦後日本の現代ガラス・私史』（2024年、生活の友社）：戦後の日本における現代ガラス芸術の発展を、自身の視点からまとめた作品。 また、月刊誌「美術の窓」などでも長年にわたり執筆を続け、鋭い批評で知られていました。特に北海道新聞の文化面では、公募展評を担当し、辛口ながらも的確な評論が読者の注目を集めていました。 教育・文化活動と晩年 武田氏は、美術評論家としての活動に加え、教育者としても多くの後進を育てました。多摩美術大学では客員教授として、また富山ガラス造形研究所では顧問として、若い芸術家たちの指導にあたりました。その知識と経験を活かし、各種審査員や講演活動など、多方面で活躍されました。 2025年4月、83歳で逝去されました。北海道の美術館の黎明期から現代に至るまで、美術界の発展に多大な貢献をされた武田氏の功績は、今後も語り継がれていくことでしょう。 武田厚氏の生涯と業績は、日本の美術界において重要な位置を占めています。その多岐にわたる活動と深い洞察は、今後の美術研究や教育においても貴重な指針となることでしょう。