樽谷龍風たるたに

カテゴリー	絵画、書画
作品種別	書　産經国際書会
プロフィール	樽谷龍風（たるたに りゅうふう）氏は、日本の書家であり、書道団体「龍風会」の創設者として知られています。また、日本書芸美術院の理事長を務め、関西を中心に書道界の発展に寄与しました。 生い立ちと書との出会い 樽谷氏が書道の道に入ったのは28歳のとき、神戸市の結核療養所で同じ病を患っていた書家・尾田静邨氏から「君も書いてみないか」と誘われたことがきっかけでした。もともと書に興味があった樽谷氏は、病を押して書き始めました。主に書道雑誌を手本に独学で学び、30歳のときに漢字書家・西村桂洲氏が主宰する「莞耿（かんこう）社」に入会し、書の研鑽を深めました。同時に水墨画や篆刻も本格的に始め、西村氏の書道一徹の生き方に傾倒しました。 書道団体「龍風会」の設立と活動 昭和40年（1965年）、樽谷氏は自身の書会「龍風会」を立ち上げ、独立しました。また、昭和60年（1985年）ごろ、関西で新国際空港が建設されるというビッグニュースに沸き立っていた時期に、「関西一円を担う大きな書会をつくろう」と池田青軒氏が提唱し、平成元年（1989年）に設立された「日本書芸美術院」に、遠藤竹泉氏らとともに参加しました。この取り組みにより、大阪府南部の泉州地域を中心に書道愛好家が増えていきました。 書への姿勢と影響 樽谷氏は、書の世界を純粋に突き詰めたいという思いを持ち続けました。大先輩の書家・榊莫山氏の生き方に思いを寄せ、榊氏が山野を歩いて自然に着想を得た素朴な画に詩文を添えた「詩書画」の世界を確立したことに感銘を受けました。樽谷氏は、「人間関係に苦しむより書本来の世界を純粋につきつめていきたい。それがいまの思いだ」と語っています。 樽谷龍風氏は、書道を通じて自己を表現し、後進の育成にも尽力した人物です。その生き方や作品は、現在も多くの書道愛好家に影響を与え続けています。