加藤深流かとう

カテゴリー 絵画、書画
作品種別 書 産經国際書会
プロフィール 加藤深流(かとう しんりゅう)氏は、日本の書道界で長年にわたり活躍されている著名な書家であり、特に草書や現代書の分野で高い評価を受けています。産経国際書会の顧問を務められ、書心会の会長としても多くの門下生を育成されています。

経歴と活動
出身地と学び:埼玉県秩父市出身。旧制秩父商業学校在学中に日展作家の大澤史峰氏に学び、同時期に関口芳岳氏にも師事されました。

師事歴:芳岳氏の没後、赤羽雲庭氏に師事し、その後、現日会を主宰する南不乗氏の門下となりました。これらの師に共通していたのは、手本を書かず、自分の「線」にこだわる姿勢であり、加藤氏もその精神を受け継がれています。

書心会の設立:書道団体「書心会」を主宰し、後進の育成に尽力されています。書心会は、毎年展覧会を開催し、会員の作品発表の場として機能しています。

受賞歴と作品
産経国際書展 内閣総理大臣賞受賞:2015年の第32回産経国際書展において、作品「淑真」で内閣総理大臣賞を受賞されました。この作品は、後漢末期の文学者・王粲の詩にある熟語で、「しとやかで誠実なこと」という意味を持ちます。得意とする草書で一気に書き上げられた作品です。

米寿記念加藤深流書作展:2019年には、銀座の鳩居堂画廊で「米寿記念加藤深流書作展」を開催されました。この展覧会では、蔦かずらから作った「かずら筆」などで制作した新作27点を披露されました。「かずら筆」は、九州・小倉小笠原藩主の書道師範を務めた下枝董村が愛用した筆であり、加藤氏はその筆を用いて新たな表現に挑戦されました。

書風と指導
加藤氏の書風は、伝統的な書法を基盤としつつも、現代的な感性を取り入れた独自の表現が特徴です。特に草書においては、自らの「線」にこだわり、一気に書き上げることで気の入った作品を生み出されています。また、書心会を通じて多くの門下生を指導し、書道の技術と精神を伝えています。


加藤深流氏は、書道の伝統を重んじつつも、現代における書の在り方を模索し続ける書家として、多くの人々に影響を与え続けています。その功績と作品は、今後も書道界で語り継がれていくことでしょう。