池上秀畝いけがみしゅうほ

時代 昭和時代
カテゴリー 絵画、書画
作品種別 日本画
プロフィール 池上 秀畝(いけがみ しゅうほ、1874年10月10日 - 1944年5月26日)は、明治時代から昭和にかけての日本画家。特に山水・花鳥画を得意とした。

池上秀畝(いけがみ しゅうほ、1874年10月11日 – 1944年5月26日)は、明治から昭和にかけて活躍した日本画家で、特に山水画や花鳥画を得意としました。彼は「旧派」と呼ばれる伝統的な日本画の流派に属しながらも、写生を重視し、空気感や光の表現を取り入れるなど、革新的な試みを行いました。


生涯と芸術活動
出生と家系:長野県上伊那郡高遠町(現在の伊那市)に生まれ、本名は国三郎。祖父の池上休柳は狩野派の花鳥画を学び、父の池上秀華は四条派の画家であり、芸術的な家庭環境で育ちました。

修行時代:15歳で上京し、当時無名だった荒木寛畝の最初の門人・内弟子となり、南北合派を学びました。

展覧会での活躍:明治40年(1907年)に正派同志会第1回展で二等銀牌を受賞し、翌年の文部省美術展覧会で初入選。大正5年(1916年)から3年連続で文展特選を受賞し、帝展では無鑑査、審査員を務めるなど、官展内の旧派を代表する画家として活躍しました。

教育活動:伝神洞画塾を主宰し、多くの後進を育てました。

代表作と特徴
池上秀畝の作品は、写実的な描写と繊細な色彩表現が特徴です。彼の写生帖には、人物、花鳥、動物、市井風俗など多様な題材が含まれ、細微な観察力と広範な芸術的視野を示しています。

代表作:
《初冬》(明治43年、1910年):第4回文展三等賞受賞作。
《夕月》(大正5年、1916年):第10回文展特選第二席。
《四季花鳥図》(大正7年、1918年):第12回文展特選第五席。
《松に白鷹・桃に青鸞図》(昭和3年、1928年):オーストラリア大使館所蔵の杉戸絵。


これらの展覧会では、池上秀畝の人生と代表作をたどり、「旧派」と呼ばれた画家にスポットを当てるとともに、彼の多様な表現や革新的な試みを再評価する機会となりました。


池上秀畝は、伝統的な日本画の技法を継承しつつも、写生を重視し、空気感や光の表現を取り入れるなど、革新的な試みを行った画家です。彼の作品は、現在でも多くの美術館に所蔵され、再評価が進んでいます。