木村武山きむらぶざん

時代 昭和時代
カテゴリー 絵画、書画
作品種別 日本画
プロフィール 木村 武山(きむら ぶざん、明治9年(1876年)7月3日 - 昭和17年(1942年)11月29日)は、明治から昭和初期の日本画家。横山大観、下村観山、菱田春草らと共に、岡倉覚三(天心)のもとで日本画の近代化に努めた。

木村武山(きむら ぶざん、1876年〈明治9年〉– 1942年〈昭和17年〉)は、明治から昭和初期にかけて活躍した日本画家であり、日本美術院の再興に尽力した重要な画家の一人です。その作品は、伝統的な日本画の技法に加え、独自の色彩感覚と構図で高く評価されています。


経歴と画業
出身と初期の学び: 茨城県笠間市に生まれ、本名は信太郎。南画家・桜井華陵に学んだ後、川端玉章に師事しました。

東京美術学校での修学: 1892年(明治25年)、東京美術学校(現・東京藝術大学)に入学し、橋本雅邦に師事しました。在学中から日本絵画協会に出品し、才能を発揮しました。


日本美術院での活動: 卒業後、日本美術院の副員となり、岡倉天心の指導のもと、歴史画や人物画を描きました。茨城県五浦で横山大観や菱田春草らと共に研鑽を積み、第1回文展で《阿房劫火》が3等賞を受賞しました。

晩年の活動: 晩年は仏画の研究に取り組み、高野山金堂の釈尊成道図などを制作しました。1937年(昭和12年)に脳内出血で倒れ、右手の自由を失いましたが、左手で絵筆を取り続け、亡くなるまで制作を続けました。

作風と代表作
木村武山の作品は、伝統的な日本画の技法を基盤としながらも、独自の色彩感覚と構図で知られています。特に、花鳥画や仏画において、その繊細で華麗な表現が高く評価されています。


《阿房劫火》: 第1回文展で3等賞を受賞した作品で、歴史画としての評価が高いです。

《須磨御殿杉戸絵》: 大正時代に制作された彩色杉戸絵で、阪神淡路大震災後も損傷を免れ、往時の華やかさを今に伝えています。

《紅葉小禽》: 秋の紅葉と小鳥を描いた作品で、色彩の美しさが際立っています。
所蔵・展示情報
木村武山の作品は、以下の美術館などで所蔵・展示されています。

茨城県近代美術館: 《須磨御殿杉戸絵》などを所蔵し、展示しています。

東京富士美術館: 《和気清麻呂》などを所蔵しています。

天心記念五浦美術館: 木村武山の特別展が開催され、新発見の作品が展示されました。
アイエム[インターネットミュージアム]
木村武山は、日本画の伝統を守りつつも、新たな表現を追求した画家として、日本美術史において重要な位置を占めています。その作品は、今なお多くの人々に感動を与え続けています。