池田遙邨いけだようそん

時代	昭和時代
カテゴリー	絵画、書画
作品種別	日本画
プロフィール	池田 遙邨（いけだ ようそん、1895年（明治28年）11月1日 - 1988年（昭和63年）9月26日）は、倉敷市出身の日本画家。本名は池田昇一。 池田遙邨（いけだ ようそん、1895年–1988年）は、岡山県倉敷市出身の日本画家であり、昭和期を代表する画家の一人です。彼は旅を通じて風景を描くことを生涯のテーマとし、写実性と詩情を兼ね備えた独自の画風を確立しました。1987年には文化勲章を受章し、その功績が広く認められています。 生涯と画業の歩み 初期の活動：池田遙邨は大阪で洋画を学んだ後、1914年に水彩画「みなとの曇り日」で第8回文展に初入選しました。その後、日本画に興味を持ち、1921年に京都市立絵画専門学校別科に入学し、竹内栖鳳に師事しました。 模索期：1920年代前半はムンクやシャヴァンヌの影響を受けた作品を制作し、帝展での落選が続く苦難の時期を経験しました。 転機と確立：1925年以降、大和絵の新解釈に基づく清新な作品を発表し、画壇での評価を高めました。1931年には「昭和東海道五十三次」を完成させ、旅を通じて風景を描くスタイルを確立しました。 晩年の活動：晩年には俳人・種田山頭火の句に触発され、「山頭火シリーズ」など詩情豊かな作品を制作しました。1987年には文化勲章を受章し、翌年に93歳で逝去しました。 代表作と画風の特徴 池田遙邨の作品は、写実的な描写と詩情を融合させた独自の画風が特徴です。代表作には以下のようなものがあります： 《昭和東海道五十三次》：1931年に完成した全57枚の連作で、歌川広重の影響を受けつつ、現代の視点で東海道の風景を描いています。 《災禍の跡》：1924年の関東大震災の惨状を描いた作品で、社会的なテーマに取り組んだ意欲作です。 三重県文化振興課 《山頭火シリーズ》：俳人・種田山頭火の句に触発され、漂泊の詩情を描いた一連の作品群で、晩年の代表作とされています。 倉敷市立美術館と池田遙邨 池田遙邨は1980年に倉敷市に489点の自作を寄贈し、これを基に1983年に倉敷市立美術館が開館しました。その後も作品の寄贈が続き、現在では約8,000点を所蔵しています。 美術館では定期的に池田遙邨の展覧会が開催され、彼の多彩な作品を鑑賞することができます。