伊東深水いとうしんすい

時代	昭和時代
カテゴリー	絵画、書画,掛け軸
作品種別	日本画
プロフィール	伊東 深水（いとう しんすい、1898年（明治31年）2月4日 - 1972年（昭和47年）5月8日）は、大正・昭和期の浮世絵師、日本画家、版画家。本名、一（はじめ）。実娘は女優・タレント・歌手の朝丘雪路。 歌川派浮世絵の正統を継いでおり、日本画独特のやわらかな表現による美人画が有名。人気の「美人画」以外の画題を描きたくとも、それ以外の注文が来ず、画家として困惑する時期もあったという。本妻の好子をモデルに大作を数多く発表し、評価を高めた。戦後は美人画とも並行し、個人的に独自の題材で日本画を制作することが多かった。人気のあまり、戦後には多くの作品が複製版画として頒布されるようになった。 伊東深水（いとう しんすい、1898年–1972年）は、日本の近代美人画を代表する日本画家であり、浮世絵の伝統を受け継ぎつつも現代的な感性を取り入れた作品で知られています。 生涯と芸術的背景 伊東深水は、1898年に東京・深川で生まれました。本名は伊東一（いとう はじめ）です。13歳のときに日本画家・鏑木清方に入門し、師から「深水」の号を授かりました。この号は、生地の「深川」と師の「清方」から一字ずつ取ったものです。1912年、14歳で巽画会展に初入選し、以後、画壇での地位を確立していきました。 作風と代表作 伊東深水の作品は、伝統的な浮世絵の技法を基盤にしながらも、現代的な感性や写実性を取り入れた美人画が特徴です。特に、女性の内面の美しさや日常の一瞬を捉えた作品が多く、観る者に深い印象を与えます。 代表作には以下のようなものがあります： 『指』（1922年） 『湯気』（1924年） 『羽子の音』（1927年） 『秋晴れ』（1930年） 『春宵（東おどり）』（1954年） これらの作品は、いずれも女性の繊細な表情や仕草を巧みに描き出しており、伊東深水の美人画の真髄を感じさせます。 家族と私生活 伊東深水は、料亭「勝田」の女将・勝田麻起子との間に娘・朝丘雪路（本名：加藤雪会）をもうけました。朝丘雪路は、後に女優・タレントとして活躍し、父・伊東深水の影響を受けて日本舞踊家としても活動しました。深水は娘に対して非常に過保護であったことでも知られています。 現在の評価と展示 伊東深水の作品は、現在でも高く評価されており、美術館や展覧会で展示されることがあります。例えば、京都府の堂本印象美術館では、2025年に特別企画展「伊東深水 時代の美、つややかに」が開催され、初期から晩年にいたる代表作が紹介されました。 また、東京都江東区の森下文化センターには、伊東深水と関根正二の紹介展示コーナーが常設されており、彼の生涯や作品について学ぶことができます。