下村観山しもむらかんざん

時代	昭和時代
カテゴリー	絵画、書画,掛け軸
作品種別	日本画
プロフィール	下村 観山（しもむら かんざん、1873年（明治6年）4月10日- 1930年（昭和5年）5月10日）は、明治 - 昭和初期の日本画家。本名は晴三郎。 1873年（明治6年）、和歌山県和歌山市に生まれる。8歳のとき東京へ移住。最初狩野芳崖に、その没後は芳崖の親友である橋本雅邦に師事する。東京美術学校（現・東京藝術大学）を第一期生として卒業後、同校で教えていたが、1898年に岡倉覚三（天心）が野に下ったときに行動を共にし横山大観、菱田春草とともに日本美術院の創設に参加した。 1906年、天心が日本美術院を茨城県北部の五浦海岸へ移した際、大観、春草、木村武山とともに同地へ移住し画業を深めた。1917年6月11日、帝室技芸員となる。 下村観山（しもむら かんざん、1873年4月10日 – 1930年5月10日）は、明治から昭和初期にかけて活躍した日本画家で、日本美術院の創設メンバーの一人としても知られています。 生涯と芸術活動 幼少期と修行時代 観山は和歌山県和歌山市に生まれ、本名を晴三郎といいます。家は代々紀州徳川家に仕える能楽師の家系で、幸流の小鼓方でした。8歳のときに一家で東京に移住し、9歳で祖父の友人である藤島常興に絵の手ほどきを受けました。その後、狩野派の最後の画家とされる狩野芳崖に師事し、「北心斎東秀」の号を与えられました。芳崖が多忙となった後は、橋本雅邦のもとで学びました。 13歳のとき、アーネスト・フェノロサらが主催する「鑑画会」に作品を出品し、「実に後世恐るべし」と新聞で評されるなど、早くから非凡な才能を発揮していました。 東京美術学校と日本美術院 1889年、東京美術学校（現・東京藝術大学）の第一期生として入学し、横山大観や菱田春草と共に学びました。1894年に卒業し、21歳で同校の助教授に就任しました。1898年、岡倉天心の辞任に伴い、橋本雅邦、横山大観、菱田春草らと共に辞職し、日本美術院の創設に参加しました。 1901年には東京美術学校の教授に復職し、1903年から2年間、文部省の留学生としてイギリスに留学し、西洋絵画の研究も行いました。 晩年と受賞歴 1914年、文展が横山大観を選外としたことに抗議して審査員を辞任し、大観と共に日本美術院を再興しました。1922年には帝室技芸員に任命され、1928年にはフランス政府からコマンドール・カムボージュ勲章を受章しました。1930年、57歳で逝去しました。 代表作と作風 観山の作品は、伝統的な日本画の技法に西洋の色彩や構図を取り入れた点が特徴です。 『木の間の秋』（1907年） 茨城県五浦の雑木林を題材に描かれた作品で、第1回文展で高い評価を得ました。 『弱法師図』（1915年） 能の演目「弱法師」を題材にした六曲屏風で、1967年に重要文化財に指定されました。 『白狐』（1914年） 純白の狐が秋の森に佇む姿を描いた作品で、岡倉天心のオペラ「The White Fox」との関連も指摘されています。 『魔障図』（1910年） 仏道修行の妨げとなる魔障をテーマにした作品で、墨と金泥を用いて描かれています。 横浜美術館 所蔵美術館と展示情報 観山の作品は、以下の美術館などに所蔵されています。 東京国立博物館 国指定文化財データベース 茨城県近代美術館 横浜美術館 また、観山の墓所は東京都台東区谷中の安立寺にあります。 観山は、伝統と革新を融合させた日本画の発展に大きく貢献した画家として、今なお高く評価されています。