郭沫若かくまつじゃく
時代 | 1892〜1978 |
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カテゴリー | 中国美術 |
作品種別 | 中国美術 作家 |
プロフィール | 郭沫若 中国の文学者・歴史家・政治家。四川省生。字は開貞、号は鼎堂。中学卒業後来日、九州帝大医学部卒。在学中郁達夫らと創造社を結成、機関誌「創造季刊」等発刊。帰国後北伐に参加。抗日文化活動を積極的に展開。中華人民共和国成立後は、中央人民政府委員などの要職をへて全人代副委員長。政協全国委員会副主席を歴任。主な著に『郭沫若全集』等。昭和53年(1978)歿、86才郭 沫若(かく まつじゃく Guo Moruo)は中華民国、中華人民共和国の政治家、文学者、詩人、歴史家。原名は郭開貞で、開貞は諱、沫若は号にあたる。字は鼎堂。中国の近代文学・歴史学の先駆者。 ### **郭沫若(かく まつじゃく / Guō Mòruò, 1892年 – 1978年)とは?** #### **1. 概要** 郭沫若(かく まつじゃく)は、中国の詩人、歴史学者、考古学者、政治家として多方面で活躍した人物です。20世紀の中国文化に大きな影響を与えた知識人であり、特に詩や歴史研究、甲骨文字研究などで知られています。 彼は、中国の新詩運動(自由詩)を牽引し、中国共産党政権下でも重要な文化的・政治的役割を果たしました。 --- #### **2. 生涯** ##### **幼少期と教育** - **1892年**: 清朝末期の四川省楽山市に生まれる。本名は郭開貞(かく かいてい)。 - **1913年**: 日本に留学し、九州帝国大学(現・九州大学)で医学を学ぶ。 - 日本滞在中に文学に関心を持ち、中国の新文化運動に参加。 ##### **文学活動の開始** - **1921年**: 詩集『女神』を発表。自由詩の先駆者として注目される。 - **1920年代**: 文学グループ「創造社」を設立し、中国の文学界で重要な地位を築く。 - **1930年代**: 歴史研究にも着手し、甲骨文字の研究を行う。 ##### **政治活動と戦争期** - **1937年**: 日中戦争が勃発すると、抗日運動に積極的に参加。 - **1949年**: 中華人民共和国成立後、中国共産党の文化政策を支援し、政府の高官として活動。 ##### **晩年** - **1950年代以降**: 中国科学院の院長を務めるなど、文化・学術界の重鎮として活躍。 - **1978年**: 北京で死去。 --- #### **3. 文学者としての業績** ##### **新詩運動の先駆者** 郭沫若は、中国における自由詩(白話詩)の先駆者であり、特に詩集『女神』(1921年)が代表作です。この詩集は、中国近代文学史において非常に重要な作品とされています。 - **代表詩集**: - 『女神』: 自由詩の革新を示し、強い感情表現と象徴的な言葉が特徴。 - 『星空』: 人生や宇宙に対する哲学的な考察を詩で表現。 ##### **劇作家として** 彼は歴史を題材にした戯曲も執筆しました。特に有名なのは以下の作品です。 - **『屈原』**(1942年): 戦国時代の詩人・政治家である屈原を描いた戯曲。 - **『虎符』**(1944年): 中国の歴史的事件をモチーフにした作品。 --- #### **4. 歴史学者・考古学者としての業績** 郭沫若は、文学だけでなく、中国古代史や甲骨文字の研究にも深く関与しました。 - 甲骨文字の研究において、殷墟(商王朝の遺跡)から出土した甲骨文の解読に貢献。 - 『中国古代社会研究』などの著作を通じて、古代中国の社会構造を分析。 - 古代青銅器の研究や、中国の歴史的遺物の考証も行う。 彼の歴史研究はマルクス主義的な歴史観の影響を受けており、中国史の研究に新たな視点をもたらしました。 --- #### **5. 政治家・文化人としての活動** 郭沫若は、中華人民共和国成立後、政府の文化政策に深く関与しました。 - **中国科学院の初代院長(1950年 - 1978年)**: 科学研究の発展に貢献。 - **全国人民代表大会の副委員長**: 政治的にも影響力を持つ。 - **文化大革命(1966年 - 1976年)期**: 政権のイデオロギー政策に従い、多くの知識人を批判。 特に文化大革命期には、党の政策を支持する立場をとり、毛沢東や共産党を称賛する詩を発表しました。そのため、後世の評価は賛否が分かれる部分もあります。 --- #### **6. 郭沫若の評価** ##### **肯定的評価** - **近代中国文学の先駆者**として、新詩運動を推進した功績は大きい。 - **考古学・歴史学の分野でも重要な研究**を行い、中国古代史の解明に貢献。 - **政治的に影響力を持ち、中国の文化政策に関与**したことで、学術振興に寄与。 ##### **批判的評価** - **文化大革命期の言動**: 権力に迎合する姿勢を見せ、知識人を批判するなどの行動が批判される。 - **文学の後期作品は政治色が強い**: 初期の作品は革新的だが、後年の作品は党のイデオロギーを反映しすぎているとの指摘も。 --- #### **7. 代表作一覧** | ジャンル | 代表作 | |------|------| | 詩集 | 『女神』、『星空』 | | 戯曲 | 『屈原』、『虎符』 | | 歴史研究 | 『中国古代社会研究』、『甲骨文字研究』 | --- #### **8. まとめ** | 項目 | 内容 | |------|------| | **生没年** | 1892年 - 1978年 | | **出身地** | 四川省楽山市 | | **職業** | 詩人、歴史学者、考古学者、政治家 | | **代表作** | 『女神』、『屈原』、『中国古代社会研究』 | | **歴史学の貢献** | 甲骨文字研究、古代中国の社会構造分析 | | **政治的役割** | 中国科学院院長、全国人民代表大会副委員長 | | **評価** | 文学・歴史学の功績は大きいが、政治的な言動には賛否あり | 郭沫若は、20世紀中国において、文学・学術・政治の分野で多大な影響を与えた人物です。その詩や研究は、現代の中国文化の基礎を築くうえで重要な役割を果たしました。一方で、政治に迎合した側面もあり、評価は一様ではありません。 |