上村松園うえむらしょうえん

時代	昭和時代
カテゴリー	絵画、書画,掛け軸
作品種別	日本画
プロフィール	上村 松園（うえむら しょうえん、1875年（明治8年）4月23日 - 1949年（昭和24年）8月27日）は、日本画家。本名は上村 津禰（うえむら つね、「禰」は「示」ヘンに「爾」）、常子（つねこ）と名乗っていたこともある。明治の京都下京に生まれ育ち、女性の目を通して「美人画」を描いた。1948年（昭和23年）女性として初めて文化勲章を受章。 子の上村松篁、孫の上村淳之と三代続く日本画家である。 上村松園（うえむら しょうえん、1875年4月23日 – 1949年8月27日）は、明治から昭和期にかけて活躍した日本画家で、特に「美人画」の分野における最高峰の一人とされています。近代日本画壇で初めて本格的に活躍した女性画家であり、女性の気品や精神性を繊細に表現した作品で高く評価されました。戦後の1948年には女性として初の文化勲章を受章しています。 【基本情報】 本名：上村 津禰（つね） 生年月日：1875年4月23日 没年月日：1949年8月27日（享年74歳） 出身地：京都府京都市 師匠：鈴木松年、竹内栖鳳（京都画壇の名匠） 画号：「松園」は、自然と清らかさを象徴する名前として自身で名付けたもの。 【略歴と画業の歩み】 1. 幼少期と画家としての志 父を幼くして亡くし、母の手で育てられました。母親の強い勧めもあり、絵の道を志します。 12歳の時に鈴木松年に入門し、その後、京都画壇の巨匠・竹内栖鳳にも師事。 2. 女性画家としての苦難と台頭 当時の社会では、女性が画家として独り立ちすることは極めて難しく、多くの偏見や制約を受けました。 しかし、次第にその画才が認められ、数々の展覧会で入選。明治から大正期にかけて一流の画家としての地位を確立しました。 3. 円熟期：気品と精神性の美人画 松園の美人画は、単なる容姿の美しさだけでなく、清らかさ、気高さ、精神性を兼ね備えている点が高く評価されます。 古典的な美意識を大切にしながらも、現代的な感覚で女性の内面を描き出すことに成功しました。 特に着物の美しい描写、優美な身のこなし、静謐な表情にその特徴が現れています。 4. 晩年と受賞歴 1948年、女性として初めて文化勲章を受章。 晩年まで創作意欲は衰えず、品格ある美人画を描き続けました。 【代表作】 《序の舞》（1936年） 　→ 能楽の舞台で舞う女性を描いた代表作。凛とした気品と優雅な所作が圧巻です。 《焰》（1918年） 　→ 情熱と内面的な葛藤を表現した異色作。 《娘深雪》（1937年） 　→ 清楚な美しさと静けさをたたえた美人像。 《楊貴妃》（1940年） 　→ 中国の伝説的美女・楊貴妃を題材にした豪華絢爛な作品。 【画風の特徴】 理想美の追求：単なる写実ではなく、清浄で気高い女性像を理想化して描きました。 緻密な描写：特に衣服の質感表現や、優雅な手指の表現は極めて高い完成度。 内面の表現：女性の強さ、優しさ、忍耐、悲しみなど、目には見えない心情を表現することに長けています。 色彩美：淡い色調を巧みに用い、格調高く落ち着いた色遣いが特徴です。 【人物像とエピソード】 母の強い支えのもと、自立した女性画家としての道を切り開いた先駆者です。 「真・善・美」の理想を掲げ、風俗的な美人画や官能的な表現は一切避けました。 晩年には「私の描く美人は、魂の美しさを描きたいのです」という言葉を残しています。 【栄典】 1941年：帝国芸術院会員 1948年：女性初の文化勲章受章