木村香雨きむらこうう

時代 大正時代
カテゴリー 絵画、書画,掛け軸
作品種別 日本画
プロフィール 1843*-1912 幕末-明治時代の画家。
天保(てんぽう)13年12月生まれ。草野東蕙に四条派を,東東莱(とうらい)に文人画をまなび,各地を歴遊。明治13年以後は東京にすみ,内国勧業博覧会,絵画共進会などに出品した。大正元年10月3日死去。71歳。陸奥(むつ)仙台出身。名は長明。通称は熊之助。初号は陸山。

木村香雨(きむら こうう、1842年 – 1912年)は、明治時代を代表する南画家の一人であり、仙台出身の文人画家です。彼は「石癲(せきてん)」などの号を用い、南宗画会や文墨勝会の創設にも関与し、近代南画の発展に寄与しました。

生涯と画業
木村香雨は、仙台藩士の家に生まれ、幼少期より絵画に親しみました。後に、南画家の東東莱(とうとうらい)に師事し、南画の技法を学びました。彼の作品は、山水画や花鳥画を中心に、水墨や淡彩を用いた繊細な表現が特徴です。特に、自然の風景を詩情豊かに描いた作品が多く、文人画の精神を体現しています。


また、明治時代には、南宗画会や文墨勝会の創設に関与し、南画の普及と発展に努めました。彼の作品は、当時の展覧会でも高く評価され、多くの門人を育てました。

代表作と作風
木村香雨の代表作には、「夏山飛瀑図」や「夏景山水」などがあります。これらの作品では、山水や滝、樹木などの自然の風景が繊細な筆致で描かれており、南画の特徴である詩情豊かな表現が見られます。

また、彼の作品は、掛軸や短冊などの形式で残されており、現在でも古美術市場で取引されています。例えば、「夏景山水」は、美術倶楽部の鑑定書付きでオークションに出品され、高い評価を受けています。

門下生と影響
木村香雨は、多くの門人を育て、その中には安部止水(あべ しすい)などがいます。安部止水は、木村香雨に師事し、南画の技法を学びました。彼の作品には、師である木村香雨の影響が色濃く表れており、南画の伝統を受け継いでいます。


現在の評価と市場動向
木村香雨の作品は、現在でも古美術市場で高く評価されており、オークションや美術展で取引されています。特に、彼の山水画や花鳥画は、南画の代表的な作品として人気があります。また、彼の作品は、美術館や博物館でも所蔵されており、南画の歴史を学ぶ上で貴重な資料となっています。

木村香雨は、明治時代の南画界において重要な役割を果たした画家であり、彼の作品は現在でも多くの人々に愛されています。彼の作品を通じて、当時の日本の美術や文化に触れることができるでしょう。