村田香谷むらたこうこく
時代 | 大正時代 |
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カテゴリー | 絵画、書画,掛け軸 |
作品種別 | 日本画 |
プロフィール | 南画家。福岡県生。村田東圃の養子。名は叔、別号に蘭雪・適圃等。画を貫名海屋に、詩を梁川星巌に学ぶ。のち長崎に遊び、徐雨亭・鉄翁祖門・木下逸雲について南画を修める。山水に巧みで、詩書も能くした。晩年は大阪に住した。大正元年(1912)歿、83才(一説に82才)。 村田香谷(むらた こうこく、1831年〈天保2年〉– 1912年〈大正元年〉)は、幕末から明治時代にかけて活躍した日本の南画家です。本名は村田叔(むらた しゅく)で、蘭雪(らんせつ)、適圃(てきほ)などの号を用いました。父は南画家の村田東圃で、福岡県(旧筑前国)博多に生まれました。 経歴と研鑽 村田香谷は、父・村田東圃のもとで画の手ほどきを受けた後、京都で貫名海屋に師事し、南画を学びました。また、詩人の梁川星巌から詩を学び、文人画家としての素養を深めました。その後、長崎に遊学し、鉄翁祖門、木下逸雲、徐雨亭らに学び、さらに中国に三度渡り、張子祥や胡公寿に師事しました。 展覧会と受賞歴 村田香谷は、明治時代の内国勧業博覧会や内国絵画共進会に作品を出品し、褒賞を受けています。明治14年(1881年)の第2回内国勧業博覧会に出品し、明治15年(1882年)と17年(1884年)の第1回、第2回内国絵画共進会で褒状を受賞しました。また、明治23年(1890年)と36年(1903年)の内国勧業博覧会でも受賞しています。 作風と代表作 村田香谷の作品は、南画の伝統を踏まえつつ、独自の詩情豊かな表現が特徴です。山水画や花鳥画を得意とし、特に「青緑蜀桟図」などの作品が知られています。彼の作品は、福岡県立美術館に所蔵されており、「松林精舎図」(1905年)や「二荒山神楽堂御運動之図」(1890年)などが展示されています。 晩年と影響 明治30年(1897年)には、日本南画会の設立に参加し、同年大阪に移住しました。その後、大阪南宗画会主催の全国南画共進会で2等賞を受賞し、関西南画界の重鎮として活躍しました。彼の作品は、現在もオークションや美術館で取り扱われており、その芸術的価値が再評価されています。 村田香谷は、幕末から明治時代にかけての日本南画の発展に大きく寄与した画家であり、その作品は今なお多くの人々に親しまれています。 |