尾形月耕おがたげっこう

時代	大正時代
カテゴリー	絵画、書画,掛け軸
作品種別	日本画
プロフィール	尾形 月耕（おがた げっこう、OGATA Gekko、安政6年9月15日〈1859年10月10日〉 - 大正9年〈1920年〉10月1日）とは、日本の明治から大正期の浮世絵師、日本画家。 尾形月耕（おがた げっこう、1859年10月10日 – 1920年10月1日）は、明治から大正時代にかけて活躍した日本の浮世絵師・日本画家です。独学で画技を磨き、新聞挿絵や錦絵、肉筆画など多岐にわたる作品を手がけ、国内外で高い評価を受けました。 生涯と経歴 尾形月耕は、江戸京橋弥左衛門町（現在の東京都中央区銀座）に、名鏡正之助として生まれました。祖父は江戸の豪商であり、裕福な家庭に育ちましたが、17歳のときに父を病で失い、家は没落。その後、京橋弓町で提灯屋を営みながら絵を描き始めました。独学で絵を学び、菊池容斎に私淑して『前賢故実』などを研究しました。 明治10年（1877年）頃、自費出版した三枚続の時事物錦絵『征韓論』が評判となり、名が知られるようになります。明治14年（1881年）頃には、琳派の系統である尾形光哉の家姓を襲名し、「尾形」を名乗るようになりました。その後、新聞や雑誌の挿絵を手がけ、一躍人気画家の仲間入りを果たしました。 作風と代表作 尾形月耕の作品は、伝統的な浮世絵の技法を基盤としながらも、独自の視点や構図を取り入れた革新的なものでした。代表作の一つである『月耕随筆』には、「龍昇天」や「桃太郎」などが収められており、特に「桃太郎」は鬼の視点から描かれるなど、斬新なアプローチが特徴です。 また、『源氏五十四帖』では、源氏物語の各帖を題材に、淡い色彩と繊細な筆致で平安時代の雅な世界を表現しています。 国際的な評価と晩年 尾形月耕は、国内外の展覧会で多数の賞を受賞し、国際的にも高い評価を受けました。明治26年（1893年）のシカゴ・コロンブス万国博覧会では『江戸山王祭』を出品し、明治33年（1900年）のパリ万国博覧会では銅牌を受賞しました。また、明治31年（1898年）には日本美術院の創立に参加し、正員となりました。 大正元年（1912年）には、第6回文展に『山王祭』を出品し、三等賞を受賞。その後も精力的に制作を続けましたが、大正9年（1920年）に60歳で亡くなりました。 尾形月耕は、伝統と革新を融合させた独自の作風で、明治から大正時代の日本画壇において重要な役割を果たしました。その作品は、現在でも多くの美術館やコレクションで鑑賞することができます。