江森天壽えもりてんじゅ

時代 大正時代
カテゴリー 絵画、書画
作品種別 日本画
プロフィール 江森天壽(えもり てんじゅ、1887年4月27日 – 1925年)は、明治から大正時代にかけて活躍した日本画家で、埼玉県深谷市東方(旧・幡羅郡東方村)出身です。彼は自然を題材とした繊細な作品で知られ、短い生涯ながらも日本画壇に確かな足跡を残しました。


生涯と経歴
出生と家族:江森天壽は、画家・江森天淵の長男として生まれました。父の影響を受け、幼少期から絵画に親しみました。

教育と修業:東京美術学校(現・東京藝術大学)日本画科を卒業後、荒木寛畝に師事し、画技を磨きました。

画壇での活躍:大正4年(1915年)に文展に初入選し、以後も入選を重ねました。特に「裾野の秋」(大正4年)は代表作として知られています。
展覧会・博物館・美術館・記念館
早逝:結核を患い、38歳で亡くなりました。その早すぎる死は、多くの人々に惜しまれました。

作風と作品
江森天壽の作品は、自然の風景や動植物を題材にしたものが多く、繊細な筆致と淡い色彩が特徴です。代表作「裾野の秋」は、富士山の裾野に広がる秋の風景を描いたもので、静謐な美しさが評価されています。

また、彼の作品はアール・ヌーヴォーの影響を受けた装飾的な要素も見られ、当時の日本画壇に新風を吹き込みました。

展覧会と所蔵
2022年には、埼玉県比企郡川島町の遠山記念館で「江森天壽と石川梅子 夭折の画家と県内初の女流画家」展が開催され、彼の作品が多数展示されました。また、埼玉県立近代美術館にも彼の作品が所蔵されています。


弟子と影響
江森天壽は、同郷の石川梅子に日本画を教えました。石川は後に埼玉県初の女流画家として知られるようになり、天壽の影響を受けた作品を多数制作しました。


江森天壽は、短い生涯ながらも日本画に新たな表現をもたらし、多くの人々に影響を与えました。彼の作品は、現在でも美術館や展覧会で鑑賞することができ、その繊細な美しさは多くの人々を魅了し続けています。