江口大象えぐちたいしょう

時代 昭和10年〜
標準発表価格 780,000 円
カテゴリー 絵画、書画
作品種別 現代書家・漢字作家
プロフィール 師 奇石
佐賀県出身。

江口大象(えぐち たいぞう、1935年生まれ)は、日本の現代書道界を代表する書家の一人です。その力強くもおおらかな書風と、後進の育成に尽力したことで知られています。


略歴と活動
生年と出身地:1935年、中国・天津に生まれ、1945年まで同地で過ごしました。
学歴:東京学芸大学書道科を卒業。

師事:書道家・小坂奇石に師事。

所属・役職:
日展会員
日本書芸院顧問
読売書法会参事
全国書美術振興会参事
書道研究「璞社(ぼくしゃ)」二代会長

書風と作品
江口大象は、師である小坂奇石の影響を受けつつも、早くから独自の書風を確立しました。その作品は、力強さとおおらかさを兼ね備え、明快で魅力的な表現が特徴です。日展や現代書道二十人展などに作品を発表し、書道界の第一線で活躍しました。


また、書道研究「璞社」の会長として、多くの門人を育て、書道界の発展に寄与しました。

主な作品と展示
江口大象の作品は、全国各地の展覧会や寺院などで展示されています。特に、兵庫県多可町内の14カ所の寺院には、彼の貴重な直筆作品が納められており、地域の文化財として親しまれています。

また、徳島県立文学書道館では、彼の遺作展が開催され、大作から小品まで多彩な50点が展示されました。

著作と教育活動
江口大象は、書道の技術や精神を伝える著作も多数執筆しています。たとえば、『意連 プロに学ぶ書のテクニック』では、線と線、文字と文字の間における目に見えない気持ちのつながり「意連」をテーマに、文字や作品の一体感を高め、生き生きとした躍動感を生み出す方法を紹介しています。


また、月刊誌『書源』の創刊にも関わり、編集や執筆を通じて書道の普及と教育に尽力しました。

晩年と遺産
江口大象は、2020年に85歳で逝去しました。亡くなる前日まで食欲があり、痛みを訴えることもなく、安らかな最期だったと伝えられています。

彼の絶筆は、死去の前日に萱原書房に届いた手紙として展示されており、その筆致からは生涯を通じて書に向き合った姿勢が感じられます。

江口大象の書は、力強さとおおらかさを兼ね備え、現代書道界において高く評価されています。彼の作品や教育活動は、多くの人々に影響を与え、今もなお多くの場で紹介されています。