植松弘祥うえまつこうしょう

時代 昭和6年〜
標準発表価格 860,000 円
カテゴリー 絵画、書画
作品種別 現代書家・漢字作家
プロフィール 師 藍田
山形県出身。


植松弘祥(うえまつ こうしょう、1932年生まれ)は、山形県東根市出身の著名な書家であり、特に日展(日本美術展覧会)において顕著な業績を残しました。彼は書道の普及と地域文化の振興に尽力し、東北地方を代表する書家として高く評価されています。


略歴と経歴
生年:1932年(昭和7年)、山形県村山市楯岡に生まれる。
師事:殿村藍田氏に師事し、書の道を志す。
活動拠点:山形県東根市を中心に活動。
逝去:2020年5月、88歳で逝去。

20代で書道を志し、家業の傍ら、師である殿村藍田氏の指導を仰ぐため、毎週東根から鎌倉へ夜行列車で通い修行に励みました。その努力が実を結び、日展の書道部門で入選を果たし、以後、数々の賞を受賞しました。

主な受賞歴と役職
日展:
入選22回。
特選受賞2回(1979年、1993年) 。
審査員を3度務め、東北・北海道地区で唯一の特別会員として活躍。
叙勲:旭日双光章受章。
表彰:
文部科学大臣表彰(地域文化功労者)。
斎藤茂吉文化賞受賞 。
役職:
日展会員。
読売書法会参事・東北展実行委員長。
謙慎書道会総務・運営委員。
山形県書道連盟常任顧問。
東根市芸術文化協会顧問。
欅墨書院名誉会長。

書風と作品
植松弘祥の書風は、力強さと繊細さを併せ持ち、特に郷土の自然や文学を題材にした作品が多く見られます。彼の代表作の一つである〈茂吉のうた〉シリーズでは、斎藤茂吉の短歌10首を題材に、書の表現を通じて詩情を豊かに表現しています。

また、地域活動にも積極的に参加し、数多くの学校や企業の理念を書にしたため納めるなど、地域文化の振興に貢献しました。

展覧会と記念展示
2021年6月20日から7月25日まで、山形県東根市のまなびあテラスにて、開館5周年記念展「植松弘祥 書の道」—書の魂を求めて—が開催されました。この展覧会では、日展特選作品2点をはじめ、〈茂吉のうた〉シリーズ全10首、個人所蔵や県内各所から集めた作品など約40点が紹介され、彼の書の世界を堪能することができました。


後進の育成と家族
植松弘祥は、後進の育成にも力を注ぎ、多くの書道家を輩出しました。その中には、彼の息子である植松龍祥(うえまつ りゅうしょう)氏も含まれ、現在は欅墨書院の会長として、父の志を継ぎ書道の普及に努めています。


植松弘祥の生涯は、書道に対する深い情熱と、地域文化への貢献に満ちたものでした。彼の作品や教えは、今後も多くの人々に影響を与え続けることでしょう。