田中節山たなかせつざん

時代 昭和14年〜
カテゴリー 絵画、書画
作品種別 現代書家・漢字作家
プロフィール 師 信山
長野県出身。

田中節山(たなか せつざん、本名:田中裕昭、1939年生まれ)は、日本の書道界を代表する書家・教育者であり、大東文化大学名誉教授として知られています。その生涯を通じて、書道の普及と教育に尽力し、多くの後進を育ててきました。

略歴と教育活動
1939年:長野県下伊那郡喬木村に生まれる。

1958年:大東文化大学文学部中国文学科に入学し、上條信山に師事。

1962年:同大学卒業後、私立成蹊学園に奉職し、中高教諭として勤務。

1982年:大東文化大学文学部教育学科非常勤講師に就任。

1986年:同学科助教授に昇進。

1992年:同学科教授に就任。
2000年:文学部書道学科教授主任に就任。

2004年:大東文化大学書道研究所所長に就任(~2010年3月)。

2010年:大東文化大学名誉教授となる。
田中節山は、大東文化大学における書道教育の発展に大きく寄与し、書道学科の設立にも尽力しました。また、書道研究所の所長として、研究活動や後進の指導にも力を注ぎました。

書風と作品
田中節山の書風は、力強さと迫力を兼ね備えたものであり、特に漢代木簡の造形と線性を取り入れた作品が注目されています。代表作の一つである「長慶」は、その力強い筆致と温もりある表現で高く評価されています。

また、彼の作品「隆熾」は、平成27年から令和3年の間、総理官邸に掲額されていました。この作品は、「今に生きる精いっぱいの姿を筆にのせ、文字の中に表現できたら」という思いで制作されたものであり、その精神性と芸術性が評価されています。

主な役職と受賞歴
日展特別会員
読売書法会参事
謙慎書道会副会長
書象会会長
全国書美術振興会参事
全日本書道連盟参事
日本書道ユネスコ無形文化遺産登録推進協議会委員
小・中・高等学校書写書道教育推進協議会実務者会委員
これらの役職を通じて、田中節山は書道界の発展と後進の育成に尽力し、書道教育の普及にも大きく貢献しています。

教育者としての功績
田中節山は、教育者としても多くの功績を残しています。大東文化大学での教鞭を執る傍ら、成蹊学園での教職経験もあり、元総理大臣の安倍晋三氏も彼の教え子の一人です。また、書象会の会長として、書道の普及と後進の育成に努めています。


まとめ
田中節山は、書道家としての卓越した技術と、教育者としての情熱を兼ね備えた人物です。彼の作品は、力強さと温もりを併せ持ち、多くの人々に感動を与えています。また、教育者としても多くの後進を育て、書道界の発展に大きく寄与しています。その功績は、今後も多くの人々に語り継がれていくことでしょう。