今尾景年いまおけいねん
時代 | 大正時代 |
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カテゴリー | 掛け軸,絵画、書画 |
作品種別 | 日本画 |
プロフィール | 今尾 景年(いまお けいねん、弘化2年8月12日(1845年9月13日) - 大正13年(1924年)10月5日)は、日本の明治から大正にかけて活躍した四条派の日本画家。幼名は猪三郎、のち永観。字は子裕。景年は画号で、別号に聊自楽、養素斎。 色彩豊かな花鳥画を得意とし、「綺麗濃褥」と評された。 今尾景年(いまお けいねん、1845年〈弘化2年〉– 1924年〈大正13年〉)は、幕末から大正時代にかけて活躍した日本画家で、四条派を継承しながらも、写実的で洗練された花鳥画や風景画で高く評価された人物です。明治以降の近代日本画壇に大きな影響を与え、帝室技芸員にも任命された名匠の一人です。 【生涯と経歴】 ■ 幼少期・修業時代 1845年、京都に生まれる。幼名は今尾芳三郎。 幼い頃から絵に親しみ、四条派の名匠・**岸竹堂(がんちくどう)**に師事。 岸竹堂は花鳥画・山水画で名高く、景年はその画風を学びつつも、自らの感性でより写実的で明快な作風を追求しました。 ■ 明治時代の活躍 明治以降、西洋文化が流入し日本画が大きな転換期を迎える中で、景年は伝統的な四条派の技法を守りながらも、現代的な写実性を取り入れた画風で人気を博しました。 **文部省美術展覧会(文展)**やその他の公的な美術展で高く評価され、複数回の受賞歴を持つ実力派でした。 ■ 帝室技芸員に任命 1913年(大正2年)、日本画壇への多大な貢献が認められ、帝室技芸員に任命されます。 この称号は、当時の最高位の栄誉であり、宮内省(現在の宮内庁)に作品を納めるなど、国家的な美術事業にも携わりました。 ■ 晩年 晩年まで京都を拠点に精力的に制作活動を行い、後進の育成にも努めました。 1924年(大正13年)、京都で没。享年80歳。 【作風の特徴】 花鳥画の名手 → 四条派伝統の花鳥画をベースに、より写実的で緻密な描写を追求しました。 → 季節感あふれる花々や、繊細に描かれた鳥類が特徴で、特に鶴や鷹などの吉祥的なモチーフを好んで描きました。 色彩の美しさ → 控えめで品のある色調の中に、鮮やかな色彩を巧みに配し、上品で格調高い画面を構成しました。 山水・風景画 → 四季折々の自然を題材にした山水画も多く手がけ、柔らかな筆致と穏やかな構図で日本的な情緒を表現しました。 優美で格調高い作品 → 華美すぎず、気品を感じさせる落ち着いた画風は、近代日本画の中でも高く評価されています。 【代表作】 『春秋花鳥図』 → 四季折々の花鳥を一対に描いた作品で、吉祥画としても人気があります。 『鶴図屏風』 → 長寿や繁栄の象徴である鶴を描いた屏風絵で、祝いの席や重要な場で用いられました。 『秋景山水図』 → 秋の自然美を題材にした山水画で、紅葉と山水の繊細な描写が見どころです。 【評価と影響】 明治から大正にかけて、伝統的な日本画を守りつつ近代的な感覚を取り入れた重要な作家とされます。 京都画壇における重鎮であり、多くの弟子を育成しました。 作品は現在、東京国立博物館、京都国立近代美術館などに所蔵されています。 |