石井鼎湖いしいていこ

時代	明治時代
カテゴリー	絵画、書画
作品種別	日本画
プロフィール	石井 鼎湖（いしい ていこ、嘉永元年（1848年）3月‐明治30年（1897年）11月2日）は、明治時代の日本画家、版画家。 石井鼎湖（いしい ていこ、1848年3月 – 1897年11月2日）は、明治時代の日本画家・版画家であり、日本における石版画（リトグラフ）の先駆者として知られています。 生涯と経歴 石井鼎湖は、江戸佐久間町（現在の東京都千代田区神田佐久間町）に生まれました。父は文人画家の鈴木鵞湖で、幼少期から父に絵の手ほどきを受けました。12歳で陶工の三浦乾也の養子となり、後に養母方の石井家を継ぎました。明治3年（1870年）には大蔵省に出仕し、紙幣や公債証書の下絵図案を担当しました。 明治7年（1874年）、松田緑山と共に《石画試験》を成功させ、これは年記のある最も早い石版画として、石版画流行の幕開けを飾る記念碑的存在となりました。さらに、明治10年（1877年）には日本初の本格的な多色刷石版《玉堂富貴》を制作し、石版画史に大きな足跡を残しました。 官吏生活のかたわら、川上冬崖や中丸精十郎らに洋画を学び、印刷局の同僚と結成した精研会では水彩画を発表しました。明治21年（1888年）には日本美術協会の委員となり、明治30年（1897年）に50歳で没するまで、歴史画や山水、花鳥画などの日本画を出品し、受賞を重ねました。また、浅井忠や小山正太郎らと日本最初の洋画団体、明治美術会の創設にも参加しました。 作風と作品 石井鼎湖の作品は、石版画だけでなく、日本画や洋画にも及びます。代表作の一つである《玉堂富貴》は、日本初の本格的な多色刷石版画として知られています。また、明治期の美人画や歴史画など、多岐にわたる作品を制作しました。彼の作品は、近代日本美術の黎明期における多様な表現の一端を示しています。 家族と後継者 石井鼎湖の長男は、洋画家・版画家として知られる石井柏亭であり、三男は彫刻家の石井鶴三です。彼らもまた、日本の近代美術において重要な役割を果たしました。 石井鼎湖は、日本における石版画の先駆者としてだけでなく、日本画や洋画の分野でも多くの功績を残しました。彼の多彩な活動は、明治時代の美術界における重要な一章を形成しています。その業績は、近代日本美術の発展に大きく寄与したと言えるでしょう。