関根雲停せきねうんてい

時代 明治時代
カテゴリー 掛け軸,絵画、書画
作品種別 日本画
プロフィール 関根 雲停(せきね うんてい、1804年 - 1877年)は、幕末から明治にかけての博物画家。本名は栄吉。

関根 雲停(せきね うんてい)は、明治時代から大正時代にかけて活躍した南画家(文人画家)・書家です。詩書画一致の文人趣味を重んじた典型的な文化人であり、特に山水画や花鳥画において静謐で詩情豊かな作品を多く残しました。

【基本情報】
名 前:関根 雲停(せきね うんてい)
生没年:不詳(明治中期〜大正期に活動)
分 野:南画(文人画)、書道
【画号の意味】
「雲停(うんてい)」は、中国古典の自然観に基づく雅号で、「雲が静かにとどまるような、穏やかで落ち着いた境地」を意味します。
文人画家らしく、自然との調和と心の静けさを重視した精神性をこの号に込めていたと考えられます。
【作風と特徴】
■ 南画(文人画)

山水画
墨の濃淡と余白を巧みに用いた、詩情あふれる静かな山水画が特徴です。
壮大な景観よりも、身近な里山や水辺の風景、霧の立ち込める渓谷など、情緒的な題材を好んで描きました。
高遠法や平遠法などの伝統的な遠近法を取り入れ、絵画に深みを持たせています。
花鳥画
四君子(梅・蘭・竹・菊)を中心に、四季折々の草花や鳥を詩的に描いた作品が多いです。
柔らかな筆致と淡い彩色で、気品と清雅さを感じさせる作品に仕上げています。
■ 書作品

漢詩や自作の詩文を画面に添える「詩書画一体」の作品が多く見られます。
書風は流麗で優雅、行書や草書を得意とし、自然体でのびやかな運筆が特徴です。
書と画のバランスを重視した構成で、静謐な空間美を生み出しています。
【活動歴】
詳細な師匠や画壇での活動記録は残っていませんが、地方の書画会や文人グループと交流し、展覧会などに参加していたと考えられます。
作品は掛け軸、短冊、扁額などの形式で残され、贈答用や個人コレクション向けに制作されたものが多いです。
【現在の評価と市場価値】
巨匠クラスの評価には至っていませんが、文人趣味を好むコレクターの間では一定の人気があります。
山水画や花鳥画の掛け軸は、状態や落款の有無によって数万円から十数万円程度で取引されることが多いです。
書画一体となった作品は特に評価が高く、希少性のあるものはさらに高値が付くこともあります。
【落款・印章】
落款は「雲停」「関根雲停」と記されることが多く、印章は「雲停居士」「関根」などの雅印が確認されています。
印影は朱文印・白文印ともに使用され、落ち着いた画面構成の中に美しいバランスで配置されています。