梅原清山うめはらせいぜん
時代 | 大正11年〜 |
---|---|
カテゴリー | 掛け軸,絵画、書画 |
作品種別 | 書 現代作家 漢字作家 |
プロフィール | 横浜出身。 梅原清山(うめはら せいざん)氏は、日本の書道界を代表する書家の一人であり、特に楷書・隷書・篆書の分野で高い評価を受けています。その生涯と業績は、書道の伝統と革新を体現するものとして、多くの書道愛好者や後進の指導者に影響を与えています。 略歴と書道への道 生年・出身:1922年(大正11年)、神奈川県横浜市生まれ。 学歴:横浜高等商業学校(現・横浜国立大学)卒業。 書道との出会い:19歳の頃、友人の勧めで競書雑誌に参加し、欧陽詢の『九成宮醴泉銘』を中心に楷書を学び始めました。 戦後の再出発:戦後、36歳で「書人社」を設立し、通信教育による書道指導を開始。その後、青山杉雨氏に師事し、本格的に書道家としての道を歩み始めました。 書風と作品 梅原氏の書風は、古典の深い理解に基づきつつも、現代的な感性を取り入れた独自のスタイルが特徴です。特に、楷書では六朝楷書の野趣を取り入れ、隷書や篆書では木簡や石鼓文などの古典を研究し、作品に昇華させています。また、かな書にも精通しており、多様な書体を自在に操る技術を持っています。 受賞歴と役職 受賞歴: 1995年:日展内閣総理大臣賞。 1999年:日本芸術院賞。 主な役職: 日展参事。 読売書法会常任総務。 謙慎書道会顧問。 全日本書道連盟理事長。 書人社主幹。 映画『影武者』との関わり 黒澤明監督の映画『影武者』(1980年公開)では、タイトルや出演者の名前など、約1000字に及ぶ揮毫を担当しました。この大役は、師である青山杉雨氏からの推薦によるもので、梅原氏の楷書の実力が高く評価された結果といえます。 指導理念と後進育成 梅原氏は、書道の指導において「古典の徹底的な学習」と「背臨(手本を見ずに書くこと)」の重要性を強調しています。また、作品制作においては「楽に書くこと」が作品の旨味を生むとし、無理のない自然な筆致を追求する姿勢を持ち続けています。 梅原清山氏の生涯と業績は、書道の伝統を守りつつも、新たな表現を追求する姿勢の象徴といえます。その作品や指導理念は、今後も多くの書道家や愛好者にとって貴重な学びの源となるでしょう。 |