斯波春陵しばしゅんりょう
時代 | 明治時代 |
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カテゴリー | 掛け軸,絵画、書画 |
作品種別 | 日本画 |
プロフィール | 1813-1887 江戸後期-明治時代の武士,画家。 文化10年生まれ。越前(えちぜん)福井藩士。江戸詰めのとき狩野真笑(意信)にまなぶ。のち文人画に転じ,山水・花鳥・人物画にすぐれた。維新後,藩の爆竹馬という行事をえがき,旧藩主家に献納した。明治20年6月18日死去。75歳。別号に真所,鵞渓。 斯波春陵(しば しゅんりょう)は、江戸時代後期に活躍した南画(文人画)の画家であり、教養豊かな文人としても知られます。詩書画のいずれにも優れ、特に清雅な山水画と高潔な花鳥画で高い評価を受けました。 【基本情報】 名前:斯波 春陵(しば しゅんりょう) 号・別称:春陵、蘭亭、竹里館主人など 生没年:不詳(主に江戸後期に活動) 出身地:詳細は不明ですが、活動の中心は京阪地方であったと考えられています。 【略歴と活動】 幼少期から漢学・詩文・書道に親しみ、のちに南画を学びました。 中国・明清時代の文人画に強い影響を受け、宋・元画の気韻生動(きいんせいどう)を理想とする作風を確立しました。 多くの文人や文化人との交流があったことが記録に残っており、地方の名士や文化サロンにも出入りしていました。 【作風の特徴】 山水画 理想的な隠逸生活を描いた山水画が多く、墨の濃淡と余白を巧みに活かした清涼感あふれる作品が特徴です。 特に瀧や渓流をモチーフにした作品は、清らかな筆致と静謐な世界観で知られます。 花鳥画 梅・蘭・竹・菊など「四君子」を題材にした花鳥画を得意とし、品格の高い筆遣いが見られます。 鶴や亀、松など、長寿や吉祥を表すモチーフも好んで描きました。 詩書画一致の作品 自らの詩や漢詩を画中に添え、詩情豊かな表現を重視しました。 書は行書・草書に優れ、作品に添えられる書は画面全体の雰囲気を高めています。 【思想・美学】 「蘭亭」「竹里館主人」といった号からもわかるように、陶淵明や王羲之など、中国古典文人への強い憧憬を持っていました。 「自然と共にある生活」「高潔な人格の追求」という儒教・道教・禅的な思想を根底に持っていました。 【代表的な作品】 『瀧見高士図』 『梅花書屋図』 『蘭竹清風図』 ※これらの作品は個人蔵や地方の寺院に残されていることが多いですが、まとまった展示はあまり行われていません。 【評価】 派手さはないものの、南画の本道を歩んだ堅実な作風として、同時代の文人たちから尊敬されました。 一般的な知名度は高くありませんが、古美術市場ではその気品ある作品が密かに評価されています。 |