歌川貞秀うたがわさだひで
時代 | 江戸時代 |
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カテゴリー | 掛け軸,絵画、書画 |
作品種別 | 浮世絵 |
プロフィール | 歌川 貞秀(うたがわ さだひで、文化4年〈1807年〉- 明治12年〈1879年〉?)とは、江戸時代後期から明治時代にかけての浮世絵師。横浜絵の第一人者といわれ、精密で鳥瞰式の一覧図や合巻の挿絵を描いたことで知られている。 **歌川貞秀(うたがわ さだひで)は、江戸時代末期から明治時代にかけて活躍した浮世絵師で、特に横浜絵(よこはまえ)や開化絵(かいかえ)**と呼ばれるジャンルで重要な役割を果たした画家です。海外の風景や外国人、開国後の日本の近代化の様子などを題材にし、浮世絵の世界に国際的視野を取り入れた先駆者でもあります。 基本情報 名前:歌川貞秀(うたがわ さだひで) 本名:橋本貞秀(はしもと さだひで) 別号:橋本周延(後年に改名) 生没年:生年不詳(1810年代頃か)〜1879年以降 師匠:歌川国貞(一説には歌川豊国とも) 流派:歌川派(幕末期の代表的絵師の一人) 活動概要 1. 横浜絵の先駆者 1859年の横浜開港以降、外国人の姿や西洋の風物、建築、船などを題材にした横浜絵(開港場絵)を多数制作。 多色刷の錦絵で、異国情緒や当時の驚きを視覚化した作品は、庶民に人気を博した。 外国人の風俗、貿易風景、西洋船、兵士、パレードなどが頻繁に描かれる。 2. 開化絵・文明開化の記録者 明治初期にかけて、鉄道、洋装の日本人、蒸気船、洋風建築などを描き、日本の近代化を絵画で記録した。 一種の報道画・風俗画としての価値が高い。 主な題材と特色 題材 内容 横浜風景 横浜港、外国商館、異人街、横浜橋など 外国人 オランダ人、イギリス人、アメリカ人、中国人などの服装や風俗を詳細に描写 西洋船 軍艦、蒸気船などの大型船を緻密に描いた海洋画的作品 西洋風俗 社交パーティ、馬車、洋風音楽など異文化を視覚的に紹介 戦争絵 戊辰戦争や台湾出兵など、時事的な戦争題材も制作 幕末の風景画 名所絵や旅絵も一定数制作しており、古典的な浮世絵の技法も踏襲 作風の特徴 線はやや硬質だが緻密で、衣装や建築の細部まで描き込む写実的傾向あり。 洋風遠近法(線遠近法)を取り入れた構図も多く、立体的な奥行き表現を模索。 配色は明快で鮮やか、当時の印刷技術を活かした精細な色彩構成が特徴。 有名作品(一部) 「横浜港風景図」 「異人風俗図会」 「世界国尽絵」 「横浜大火之図」 「横浜海岸通全図」 「東京鉄道開業之図」 評価と影響 歌川貞秀は、**「近代日本のビジュアル・ジャーナリスト」**とも称されることがあり、浮世絵を使って西洋文化や文明開化の実情を広めた功績は大きい。 彼の描いた外国人や西洋の風景は、現代においても民俗学的・歴史資料として高い価値を持つ。 明治初期の社会風俗や国際関係を知る手がかりとして、研究者からも注目されている。 まとめ 項目 内容 名前 歌川貞秀(うたがわ さだひで) 本名 橋本貞秀 活動時期 江戸末期〜明治初期(1850年代〜1870年代) 主な分野 横浜絵、開化絵、外国人風俗画、時事絵 特徴 写実的で詳細な描写、西洋風構図、明快な色彩 影響 近代日本の視覚文化・異国認識に大きく貢献 |