井上安治いのうえやすじ

時代	江戸時代
カテゴリー	掛け軸,絵画、書画
作品種別	浮世絵
プロフィール	井上 安治（いのうえ やすじ、元治元年（1864年） - 明治22年（1889年）9月14日）は、明治時代前期の浮世絵師、版画家。名前はやすはると読むとする説もある。本名は安次郎。作品によっては安次、安二、安二郎、安はると署名し、探景とも号した。 小林清親の一番弟子とされ、短命であったが光線画に優品を残した。 **井上安治（いのうえ やすじ、1864年 – 1889年）**は、明治時代前期に活躍した浮世絵師・版画家で、特に「光線画」と呼ばれる写実的な風景画で知られています。彼の作品は、近代化が進む東京の風景を繊細な色彩と構図で描き出し、明治の都市風景を記録する貴重な資料となっています。 生涯と経歴 井上安治は、元治元年（1864年）に江戸・浅草並木町（現在の東京都台東区雷門二丁目）で生まれました。13歳のときに父を亡くし、以後は母の手で育てられました。幼少期から病弱で絵を好み、少年時代には一時、月岡芳年に弟子入りしていたとされています。15歳のときに、光線画で知られる小林清親に弟子入りし、以後、清親のもとで写生に励みました。 明治13年（1880年）、17歳で「浅草橋夕景」などの風景画を発表し、版画家としてデビューしました。その後、「東京真画名所図解」などの作品を手がけ、明治の東京の風景を描き続けました。明治22年（1889年）、脚気衝心のため26歳で亡くなりました。 作風と代表作 井上安治の作品は、光と影の効果を巧みに取り入れた写実的な風景画が特徴です。特に「東京真画名所図解」は、明治14年（1881年）から明治22年（1889年）までに描かれた134点の作品群で、近代化が進む東京の風景を詳細に描いています。これらの作品は、当時の東京の名所や日常風景を記録した貴重な資料として評価されています。 代表作には、「浅草橋雨中之景」「銀座商店夜景」「吾妻橋新築之図」などがあります。これらの作品では、ガス灯がともる夜景や、雨に濡れた街並みなど、明治の東京の情景が繊細に描かれています。 影響と評価 井上安治は、小林清親の光線画を受け継ぎつつ、独自の写実的な風景画を確立しました。彼の作品は、明治の東京の風景を記録した貴重な資料として、近年再評価が進んでいます。また、彼の作品は、当時の東京の風景を知る手がかりとして、美術館や博物館で展示されることもあります。 井上安治の作品は、明治の東京の風景を知る貴重な資料であり、彼の繊細な描写力と写実的な表現は、現在でも多くの人々に感動を与えています。彼の作品に触れることで、明治時代の東京の情景を感じ取ることができるでしょう。