速水春暁斎はやみしゅんぎょうさい

時代 江戸時代
カテゴリー 掛け軸,絵画、書画
作品種別 浮世絵
プロフィール 速水 春暁斎(はやみ しゅんぎょうさい、明和4年〈1767年〉 - 文政6年7月10日〈1823年8月15日〉)とは、江戸時代後期の京都の浮世絵師、読本作者。

**速水春暁斎(はやみ しゅんぎょうさい)**は、幕末から明治時代初期にかけて活躍した浮世絵師・戯画師・錦絵師で、滑稽画や風俗画、特に擬人化した動物画(擬人戯画)で知られるユーモラスな作風の絵師です。彼は江戸後期の風刺精神を引き継ぎつつ、明治の文明開化や世相を鋭く描いた絵師でもありました。

【基本情報】

項目 内容
名前 速水春暁斎(はやみ しゅんぎょうさい)
別号 春暁斎、春暁斎為一、春暁斎義春など
生没年 不詳(幕末〜明治初期にかけて活動)
活動地 主に東京(旧江戸)
分野 錦絵、戯画、擬人化絵、風刺画、風俗画
画風 狂画・滑稽画・文明開化風俗絵など
【画号と署名例】

「春暁斎為一筆」
「春暁斎義春」
「速水春暁斎画」
「春暁斎画工」など
多くの作品において「春暁斎」を冠した署名を使っていますが、署名の揺れがあるため、同一人物による名義変更や別人説が混在する場合もあります。

【作風の特徴】

◆ 擬人戯画(動物の擬人化)
ネズミ、カエル、鳥、狐などを人間のような姿で描くユーモラスな絵が有名
「文明開化」を風刺的に描いた風刺画としての性格を帯びる
明治初期に流行した「滑稽錦絵」「戯画」の代表的な作家の一人
◆ 時事風俗の戯画
明治の洋装、鉄道、電信、蒸気船、ガス灯などの新風俗を、皮肉や笑いを交えて描写
「西洋かぶれ」や新しい価値観への庶民の戸惑いをユーモラスに表現
◆ 庶民文化・芸能・年中行事の風刺
落語・芝居・庶民の年中行事などの滑稽な場面を風刺的に描いた
子どもや商人、町人たちの日常を「戯れ画」として誇張しながら表現
【代表作の例】

『十二支戯画』(明治初年頃)
『鼠の祝言図』
『西洋土人図』
『文明開化図会』
『福禄寿遊戯図』
『四季風俗戯画』
いずれも戯画・諷刺画として、庶民の生活や新時代の風俗を題材とした作品群です。

【関連性と評価】

画風は歌川芳藤や落合芳幾など、同時代の戯画師の系譜に近い。
一方で、**耳鳥斎(にちょうさい)や鍬形蕙斎(くわがた けいさい)**ら江戸中期の狂画の精神を受け継ぐ側面も強い。
明治初期の浮世絵がより風刺的・娯楽的に変容していく過程を象徴する絵師の一人と位置づけられる。
【現存作品と所蔵】

太田記念美術館、国立国会図書館、大英博物館などに所蔵例あり
明治の滑稽絵・戯画研究の文脈でたびたび紹介される