狂画堂蘆国きょうがどうろしゅう

時代	江戸時代
カテゴリー	掛け軸,絵画、書画
作品種別	浮世絵
プロフィール	**狂画堂 蘆国（きょうがどう ろこく）**は、江戸時代後期に活動していたとされる絵師で、その名は一部の浮世絵・戯画や風刺的な画風をもつ作品に見られるものの、詳細な人物像や経歴はほとんど伝わっていない謎の多い画人です。 「狂画堂（きょうがどう）」という号や、「蘆国（ろこく）」という雅号からは、洒落や滑稽、風刺を得意とした町人文化の絵師であることがうかがえます。以下に現時点で判明している情報を整理してご説明します。 【基本情報】 項目 内容 名前 狂画堂 蘆国（きょうがどう ろこく） 活動時期 江戸後期（18世紀末〜19世紀初頭）推定 活動分野 戯画（風刺画・滑稽画）、風俗画、雑画 出身・所属 不詳（江戸もしくは京阪圏と推定） 作風 狂画（諷刺や諧謔を含む軽妙な絵）、町人風俗画 【「狂画堂」という画号について】 「狂画堂」という画号は、絵師が風刺画・滑稽画（狂画）を専門としていたことを示します。 「狂画」は18世紀後半に流行したジャンルで、世相・政治・人物を風刺的・諧謔的に描いた絵 葛飾北斎（画狂老人）や耳鳥斎（にちょうさい）らも、狂画や滑稽画で知られる それらの流行の中で、「狂画堂蘆国」もこのジャンルに身を置いていたと考えられる 【作風の特徴】 残された作品の署名などから、以下のような特徴がうかがえます： 大らかな筆致とユーモアある構図 身分や立場を問わず市井の人物を諧謔的に描く 縁起物・滑稽人物・妖怪風人物などをデフォルメして描く例もある 和本の挿絵、刷り物、版本絵師として活動していた可能性もあり 【署名・落款】 署名は次のように記されています： 「狂画堂蘆国筆」 「蘆国画」 「狂画堂為一蘆国」などの表記もまれに見られる 「狂画堂」は画号、「蘆国」は号名（雅号）であり、「狂画を描く蘆国」という名乗りです。 【現存作品と資料】 一部の戯画絵巻や刷り物にその名が確認されています 代表作と呼べる体系的なシリーズは不明ですが、**狂歌や川柳に添える絵（狂歌絵本）**などにも登場していることがあります 国会図書館・大阪府立中之島図書館などに「狂画堂蘆国」の名前が挿絵師として出ている版本が存在 【評価と位置づけ】 正統な浮世絵師というより、町人文化や風刺文化を担った中小絵師・戯画師の一人と見なされています 鳥羽絵、狂歌絵本、川柳画、滑稽画の文脈で再評価の対象になることもあります 学術的な評価はまだ途上だが、江戸文化史や滑稽画史の中で補足的に語られる存在