(二代)歌川国政(にだい)うたがわくにまさ

時代 江戸時代
カテゴリー 掛け軸,絵画、書画
作品種別 浮世絵
プロフィール (二代)**歌川国政(うたがわ くにまさ)は、江戸時代後期の浮世絵師で、歌川派に属する絵師の一人です。特に初代歌川国政(初代国貞の弟子)**の名跡を継いだとされる人物で、役者絵や美人画、芝居絵を中心に活動しましたが、記録が少なく、詳しい人物像はやや不明瞭です。

【基本情報】

画号:歌川国政(二代)、別号に「一寿斎国政」など
流派:歌川派
師匠:歌川国貞(初代)またはその系統とされる
活動時期:天保期〜安政年間(1830年代〜1850年代)
分野:浮世絵(錦絵)、役者絵、美人画
【歌川国政の系譜と「二代」について】

歌川国政は、江戸後期に活動した複数の同名絵師が存在しており、その中でも**「二代目」とされる国政**は、初代国貞(後の三代豊国)門下、またはその周辺の弟子筋と考えられています。

初代:文化文政期に活動、役者絵を多く制作
二代:天保〜嘉永期頃、浮世絵の中堅絵師として活動
なお、正式に「二代」と明記されている作品は少ないため、研究者の側で後から便宜的に「二代」と分類しているケースが多いです。

【作風と特徴】

二代目国政の作風は、以下のような特徴があります:

国貞風の構図・描線を踏襲しつつ、ややおおらかで写実性は控えめ
顔立ちは写楽や豊国派のような誇張よりは穏やかで端正
衣装の描写は細密で、染模様や襞の描写に工夫が見られる
錦絵としての完成度は高く、当時の町人層に親しまれた
【主な作品ジャンル】

役者絵(歌舞伎絵)
市川団十郎、中村芝翫、尾上菊五郎など当時の人気役者を描く
美人画
国貞・国芳の系譜を汲み、町娘や遊女を優美に描く
芝居番付や見立絵
歌舞伎演目に取材した挿絵的なシリーズも多数あり
【現存作品と評価】

太田記念美術館、ボストン美術館、大英博物館などに一部の作品が収蔵
現在でも骨董市場や古書画商において比較的見かける
一部の美人画や役者絵は、装飾性と調和のある構図で評価されている
歌川派の中堅として、**「堅実な描き手」**という位置づけ
【補足:署名について】

署名例:

「国政画」
「一寿斎国政筆」
「歌川国政筆」
落款や版元と合わせて、初代・二代・三代の判別が行われていますが、明確に区別できない例も少なくありません。