歌川国満うたがわくにみつ

時代 江戸時代
カテゴリー 掛け軸,絵画、書画
作品種別 浮世絵
プロフィール 歌川 国満(うたがわ くにみつ、生没年不詳)とは、江戸時代後期の浮世絵師。

歌川国満(うたがわ くにみつ)は、江戸時代後期に活動した浮世絵師で、歌川派の一員として知られています。以下に、彼の人物像や作品、活動の特徴について詳しく解説します。

【歌川国満の概要】

活動時期:江戸時代後期(19世紀前半〜中頃)
派閥:歌川派
師匠:歌川国貞(一説には歌川国芳とも)
画号:「一竜斎国満」「一竜斎」「一竜斎国満画」などの銘が確認されています。
【作風とジャンル】

1. 役者絵(やくしゃえ)
歌川国満の代表的なジャンルは、**歌舞伎役者を描いた浮世絵(役者絵)**です。役者の特徴を誇張した表現で人気を博しました。特に、歌川国貞の影響を受けた緻密で美麗な描写が特徴的です。

2. 美人画
一部、美人画も描いていますが、量は多くなく、やや様式的で国貞風の構図が見られます。

3. 錦絵(にしきえ)
多色刷りの錦絵も制作しており、色使いには華やかさがありました。版元によっては他の歌川派絵師と合作しているものもあります。

【代表作】

歌川国満の作品は、以下のようなテーマで知られています:

『今様見立三十六歌仙』
『東都繁花図会』
『役者絵揃物』など
具体的なタイトルは多く残っていませんが、絵自体は浮世絵専門の美術館や古書店などで流通していることがあります。

【評価と位置づけ】

歌川国満は、歌川国貞や歌川国芳などのビッグネームに比べるとやや知名度は劣りますが、職人的な腕を持つ中堅絵師として評価されています。写実的な描写力や構図の安定感は高く、江戸後期の浮世絵の発展に貢献した一人といえるでしょう。

【作品所蔵・展示】

現在、国満の作品は以下のような機関で所蔵・展示されています:

東京国立博物館
太田記念美術館
国際浮世絵学会所蔵図録 など
【補足:混同されやすい人物】

「国満」という名前は他の画系にも見られるため、他の国号(国貞・国芳・国虎など)との混同に注意が必要です。署名や落款、版元などを手がかりにして識別されます。