堀部満久ほりべみつひさ
カテゴリー | その他 |
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作品種別 | 一般社団法人日本染織作家協会 |
プロフィール | 堀部満久(ほりべ みちひさ)氏は、愛知県名古屋市を拠点に活動する名古屋友禅の伝統工芸士であり、手描き友禅の技術を駆使して多彩な作品を制作しています。特に、自然の葉を用いた独自の染色技法「樹光染(じゅこうぞめ)」を開発し、特許を取得するなど、伝統と革新を融合させた取り組みで知られています。 経歴と受賞歴 1947年:名古屋市に生まれる。 16歳:家業である友禅染の道に入り、修行を開始。 1986年:独自の染色法「樹光染」で特許を取得。 1994年:伝統工芸士に認定される。 1997年:名古屋市友禅工芸協同組合理事長に就任。 2003年:全国小紋友禅染色協議会で中小企業庁長官賞を受賞。 2015年:春の叙勲で瑞宝単光章を受章。 現在は、名古屋友禅黒紋付協同組合連合理事や名古屋友禅工芸協同組合理事長を務めるなど、業界の発展にも尽力しています。 作風と技法 堀部氏の作品は、名古屋友禅特有の「単彩濃淡調」の渋い色使いが特徴で、落ち着いた美しさを持っています。特に「樹光染」は、笹や檜、シダなどの葉を実際に生地に押し当てて染める技法で、自然の形をそのまま生かした独特の風合いを生み出しています。 また、友禅染は本来分業制が一般的ですが、堀部氏は図案から彩色仕上げまで一貫して手がけることで、作品全体に統一感と深みを持たせています。 工房と教育活動 名古屋市西区にある「友禅工房 堀部」は、1949年に初代・堀部祥龍氏が創業し、現在は堀部満久氏が二代目として運営しています。工房では、着物や帯だけでなく、ネクタイやバッグなどの多様なアイテムも制作しており、伝統技術を現代の生活に取り入れる試みを行っています。 また、平成3年からは友禅教室を開講し、20代から70代まで幅広い世代に向けて、友禅染の技術や魅力を伝える活動を行っています。工房見学やワークショップも開催されており、一般の方々が伝統工芸に触れる機会を提供しています。 次世代への継承 堀部氏の息子である三代目・堀部晴久氏も、京都での修行を経て、父と共に名古屋友禅の技術を継承しています。晴久氏は、染色補正の技術を活かし、シミを金彩加工で隠すなど、新たな表現方法を取り入れることで、伝統技術の幅を広げています。 |