高山辰雄たかやまたつお

時代 1912〜2007年
標準発表価格 2,500,000 円
カテゴリー 掛け軸,絵画、書画
作品種別 現代日本画家
プロフィール 高山 辰雄(たかやま たつお)は、日本画家。

高山 辰雄(たかやま たつお, 1912-2007)について
概要

高山辰雄は、戦後日本を代表する日本画家の一人であり、深い精神性と哲学的な世界観を表現した作品で知られています。日本画の伝統を踏襲しつつも、西洋の表現技法も取り入れた独自の作風を確立しました。

経歴と功績

1912年(大正元年):大分県大分市に生まれる。
1931年(昭和6年):東京美術学校(現・東京藝術大学)に入学、日本画を学ぶ。
1937年(昭和12年):帝展に初入選し、画壇デビュー。
1947年(昭和22年):戦後の日本画壇を牽引する「創造美術」の創立に参加。
1958年(昭和33年):「新日展(現・日展)」で日本芸術院賞を受賞。
1967年(昭和42年):日本芸術院会員となる。
1982年(昭和57年):文化功労者に選出。
1988年(昭和63年):文化勲章を受章。
2007年(平成19年):94歳で逝去。
作風の特徴

1. 精神性の探求
高山辰雄の作品は、単なる風景や人物画ではなく、内面の世界や精神性を深く追求したものが多いです。彼は「見えるものだけでなく、見えないものを描く」ことを意識し、目に見えない世界や魂の存在を絵画で表現しました。

2. 柔らかな色彩と幻想的な雰囲気
彼の作品は、輪郭をはっきり描かず、ぼんやりとした幻想的な雰囲気を持つものが多いです。淡い色調と柔らかな筆致で、静かで深遠な世界観を生み出しています。

3. 日本画と西洋美術の融合
日本画の伝統技法を用いながらも、マチエール(画面の質感)を重視するなど、西洋美術の影響も強く受けています。

代表作品

作品名 制作年 特徴
行く春 1958年 ぼんやりとした幻想的な雰囲気の中に、生命の流れを表現
朝 1964年 柔らかい色彩で描かれた人物像、精神性の探求が感じられる
星の降る夜 1973年 天体や宇宙的なイメージを取り入れた抽象的な作品
生々流転 1980年 自然の中にある生命の循環をテーマにした代表作
遥かなるもの 1990年 彼の晩年の作品で、精神的な深みがさらに増している
影響と評価

高山辰雄は、東山魁夷や杉山寧とともに「日展三山」と称され、日本画壇の中心的存在でした。
彼の作品は日本国内のみならず、海外でも高く評価され、多くの美術館に収蔵されています。
文化勲章を受章したことで、その芸術的価値が国によっても認められました。
作品を鑑賞できる美術館

大分市美術館(大分県):高山辰雄の多くの作品を所蔵。
東京国立近代美術館(東京都):代表作を所蔵。
京都国立近代美術館(京都府):高山辰雄の作品が展示されることがある。
まとめ

高山辰雄は、日本画の伝統を守りながらも独自の哲学的な世界観を築き、見る者の内面に語りかける作品を生み出しました。彼の作品は、視覚的な美しさだけでなく、精神的な深みを感じさせるものが多く、まさに「魂の画家」といえるでしょう。興味があれば、ぜひ美術館で実物を鑑賞してみることをおすすめします!