西川祐信にしかわすけのぶ

時代 江戸時代
カテゴリー 掛け軸,絵画、書画
作品種別 浮世絵
プロフィール 西川 祐信(にしかわ すけのぶ、寛文11年(1671年) - 寛延3年7月19日(1750年8月20日))とは、江戸時代前期から中期にかけての浮世絵師。江戸を中心とした1枚摺の作品で主に語られる浮世絵の歴史の中で、祐信は京都で活躍し、絵本を主に手がけたためやや等閑視されるきらいがある。しかし、当世風俗描写を主体としていたそれまでの浮世絵に、祐信は古典の知識を作中に引用してこれを当世風に表すなど、抑揚の効いた理知的な美を追求し、次代の浮世絵師たちに大きな影響を与えた。

西川祐信(にしかわ すけのぶ)

概要

**西川祐信(1671年 – 1750年)**は、
江戸時代中期に京都で活躍した浮世絵師・版本挿絵師です。
特に、上方(京都・大阪地域)浮世絵の確立者として知られ、
京都を中心とする雅やかな町人文化を反映した美人画や風俗画で高く評価されました。

祐信は、江戸の菱川師宣(ひしかわ もろのぶ)とはまた異なる、
**「京風の浮世絵」**を築いた重要人物です。

生涯

生年
寛文11年(1671年)、京都に生まれました。
出自
裕福な商家に生まれたとされ、幼少期から書画に親しみました。
絵師としての活動
当初はやまと絵(伝統的な日本画)の修行をしていましたが、
しだいに町人文化を反映した風俗画へと活動を広げ、版本挿絵にも進出しました。
晩年と没年
宝暦元年(1750年)に、京都で80歳前後で没したとされています。
作風と特徴

1. 雅やかで上品な美人画
京都町人女性の優雅さ、穏やかさを、柔らかな筆致で描きました。
江戸の力強く大胆な浮世絵とは異なり、たおやかで繊細な表現が特徴です。
2. 版本挿絵の名手
狂歌本、洒落本、読本(小説)などに挿絵を提供し、町人文化の普及に大きな役割を果たしました。
文章に寄り添いながら、場面を巧みにビジュアル化する技術に優れています。
3. 軽妙な線描と簡潔な構図
浮世絵の魅力である軽快な線描と、余白を生かした簡潔な構成力に長けています。
4. 京風の色気と教養
江戸の浮世絵が「粋」や「勢い」を重んじるのに対し、
京都の祐信は、教養と雅趣を重視した浮世絵を描きました。
主な作品・活動

『絵本浮世風呂』挿絵
浮世風呂文化を題材に、当時の庶民生活をユーモラスに描写。
『絵本太閤記』挿絵
豊臣秀吉の伝記を題材にした読本への挿絵提供。
物語世界を生き生きと描いています。
『京美人図』
京の遊女や町娘たちを題材にした肉筆美人画。
上品な装いと、抑制の効いた表情が印象的です。
『今様美人寄合』シリーズ
当時の流行を取り入れた、美人たちの集いを描いた作品群。
後世への影響

上方浮世絵の基礎を築く
祐信の作風は、京都・大阪地域での浮世絵発展に大きく寄与しました。
江戸浮世絵とは異なる「上方絵(かみがたえ)」の路線を作り出した功績は非常に大きいです。
門弟たちへの継承
多くの門弟を育てました。
特に西川祐信の流れをくむ絵師たちは、上方浮世絵の主流派を形成しました。
肉筆美人画の洗練
その優美な美人表現は、後の美人画(例えば与謝蕪村周辺の風俗画)にも影響を与えたとされます。
まとめ

江戸時代中期に京都で活躍した浮世絵師・版本挿絵師
上方浮世絵(京風の洗練された浮世絵)の確立者
優雅で繊細な美人画と風俗画を得意とした
町人文化の発展に貢献し、多くの弟子を育てた
浮世絵史における「京風雅趣の源流」と位置づけられる