元政上人げんせいしょうにん

時代 江戸時代
カテゴリー 掛け軸,絵画、書画
作品種別 墨蹟・書
プロフィール 日政(にっせい、通称:元政上人(げんせいしょうにん)元和9年2月23日(1623年3月23日)- 寛文8年2月18日(1668年3月30日))は、江戸時代前期の日蓮宗の僧・漢詩人。山城・深草瑞光寺 (京都市)を開山した。俗名は石井元政(もとまさ)。幼名は源八郎、俊平。号は妙子・泰堂・空子・幻子・不可思議など。

元政上人(げんせいしょうにん、1623年〈元和9年〉– 1668年〈寛文8年〉)は、江戸時代初期の天台宗の僧侶・歌人・漢詩人・書家であり、仏教的精神と和漢の学芸を融合させた高僧・文人として知られています。俗名は岡部政信、法名は元政。その清貧と高潔な生涯から、後世「近世随一の清僧」とも称されました。

◆ 基本情報


項目 内容
名前 元政(げんせい)
俗名 岡部政信(おかべ まさのぶ)
生年 1623年(元和9年)
没年 1668年(寛文8年)
宗派 天台宗(比叡山延暦寺 → 独立的修行)
出身地 近江国(現在の滋賀県近江八幡市)
分野 仏教、和歌、漢詩、書道
号 蓮室(れんしつ)、山中元政 など
◆ 生涯の流れ

◉ 幼少期と出家
近江国の郷士の家に生まれ、幼い頃から聡明で、仏教・文学に親しみます。
若くして比叡山延暦寺に登り、天台宗の僧侶となります。
のちに出世的な道を捨て、山中に庵を結び、清貧の中で修行と著述に励む生活へと転じました。
◉ 独居・著述の日々
京都の嵯峨・大原・洛北などに庵を移しながら、坐禅・経典読誦・文筆活動に明け暮れた静かな晩年を送ります。
死の直前まで筆を持ち、最後の言葉も弟子に漢詩で遺すという、文人僧の典型的な生き方を体現しました。
◆ 宗教思想と実践

◉ 実践重視の仏道
天台宗における学問僧としての素養を持ちつつも、元政は「生きた修行」を重んじ、現実社会との距離を保った生活を送りました。
華やかな仏教儀式や位階よりも、「清浄なる心と日常の修養」を最重視。
◉ 『念仏三昧宝王論』の著者
仏教実践の指南書であり、江戸時代の浄土教信仰にも大きな影響を与えた名著。
念仏を通じた自己浄化・成仏の道を、学僧的な文体で理論的に説いたものです。
◆ 文学と芸術

◉ 和歌・漢詩の名手
古典和歌(万葉集・古今集など)を深く研究し、歌僧としても高名。
また、中国詩文にも通じ、漢詩・漢文にもすぐれた詩才を発揮しました。
その作品は自然美・仏教観・無常観が融合した叙情的なものが多く、後の文人僧に多大な影響を与えました。
◉ 書道
草書・行書に優れ、禅僧的で自由な筆致は、後世の茶人・数寄者にも愛されました。
◆ 代表的な著作

『念仏三昧宝王論』:仏教思想書。実践的な念仏の教義を説く。
『蓮室集』:和歌・詩文集。死後に弟子らにより編集された。
『元政上人全集』:近代になってから編まれた、詩文・仏教著作の集大成。
書画:多くが掛け軸・巻物として現在も伝来。寺院や茶室に見られます。
◆ 死と影響

1668年、46歳で没。
死後、その簡素な庵は「蓮室(れんしつ)」と称され、信仰と文芸の場となりました。
徳川綱吉などからもその人格と学識を称賛され、後に「元政上人」と尊称されるに至ります。
◆ 後世の評価と影響


分野 影響・評価
仏教 念仏行の実践書『念仏三昧宝王論』は、浄土宗や在家修行者にも影響
文学 和漢両詩文に秀で、江戸期の歌人・詩人・俳人たちに影響を与える
茶の湯 書画は茶人の間でも愛され、数寄の精神と親和性が高い
教育 清貧の中に精神的豊かさを求める姿勢は、江戸期の儒僧や文人に継承
◆ まとめ


項目 内容
名前 元政(元政上人、俗名:岡部政信)
生年没年 1623年 – 1668年
宗派 天台宗
出身 近江国(現・滋賀県)
分野 仏教思想、和歌、漢詩、書道
代表著作 『念仏三昧宝王論』『蓮室集』
特徴 清貧・高潔な僧、生涯在俗に近い形で仏道と文芸を追究した