江月宗玩こうげつそうがん

時代	江戸時代
カテゴリー	掛け軸,絵画、書画
作品種別	墨蹟・書
プロフィール	江月 宗玩（こうげつ そうがん、天正2年11月8日（1574年11月21日） - 寛永20年8月19日（1643年10月1日））は、安土桃山時代から江戸時代前期にかけての臨済宗の僧。大徳寺住持。堺の豪商で織田信長、豊臣秀吉に茶頭として仕えた津田宗及の子。津田宗凡は兄。俗名は宗丸。幼名を道丸、次いで春松。号に欠伸子、慒袋子、赫々子など。諡は大梁興宗禅師。 幼少より春屋宗園に師事し、15歳の時に剃髪して宗玩を名乗る。1610年に大徳寺156世住持となり、1611年の春屋の死により黒田氏の菩提寺、塔頭龍光院を継ぎ、字を江月とした。翌1612年に孤篷庵を創建し、総見院、崇福寺、東海寺などの住持を経て、1643年に龍光院にて死去した。当代一流の文化人として知られ、特にその書は沢庵宗彭、清巌宗渭とともに床掛けとして流行した。また、茶の湯を父の津田宗及、小堀遠州に学び、千宗旦と交流して堀直寄らを弟子とした。松花堂昭乗や狩野探幽との親交も知られる。紫衣事件では沢庵、玉室宗珀らとともに幕府に抗議して詰問を受けたがひとり許されている。 **江月宗玩（こうげつ そうがん）**は、安土桃山時代から江戸時代前期にかけて活躍した臨済宗の高僧であり、書家・茶人・文化人としても名高い人物です。​その多才な活動は、禅宗の発展や茶道文化の形成に大きな影響を与えました。​ 生涯と背景 生年：​天正2年11月8日（1574年11月21日）​ 没年：​寛永20年8月19日（1643年10月1日）​ 出身地：​堺（現在の大阪府堺市）​ 俗名：​宗丸（幼名：道丸、次いで春松）​ 父：​津田宗及（堺の豪商で、織田信長や豊臣秀吉に仕えた茶人）​ 号：​欠伸子（けんしんし）、慒袋子（きんたいし）、赫々子（かくかくし）など​ 幼少より大徳寺の春屋宗園に師事し、15歳で剃髪して宗玩と名乗りました。​1610年には大徳寺第156世住持となり、1611年の春屋宗園の死去により黒田家の菩提寺である塔頭龍光院を継ぎ、「江月」と称しました。​その後、筑前博多の崇福寺、筑前秋月の古心寺、筑前直方の雲心寺、江戸品川の東海寺などの住持を歴任し、1643年に龍光院で示寂しました。​ 茶道との関わり 江月宗玩は、父・津田宗及から茶の湯を学び、古田織部や小堀遠州とも交流を深めました。​特に小堀遠州とは親密な関係を築き、1612年には黒田長政の援助を得て、龍光院内に孤篷庵を開山しました。​この孤篷庵は、遠州流茶道の発展に寄与し、茶道文化の形成に重要な役割を果たしました。​ 書家としての功績 江月宗玩は、当代一流の書家としても知られ、沢庵宗彭、清巌宗渭とともに「茶掛三筆」と称されました。​その書は、禅の精神を体現し、茶席の掛物として高く評価されました。​また、書画の鑑定にも精通し、著書『墨跡之写』では、禅林墨蹟の鑑定記録を残しています。​ 著作と思想 江月宗玩の代表的な著作には、『欠伸稿』があります。​この書は、禅の教えや日常の所感を記したもので、江月の思想や人柄を知る貴重な資料となっています。​また、書画の鑑定記録である『墨跡之写』も著名で、禅林墨蹟の研究において重要な位置を占めています。​ 文化人との交流 江月宗玩は、千宗旦や松花堂昭乗、狩野探幽など、当時の文化人とも広く交流を持ちました。​これらの人物との親交は、江月の多才な活動を支え、江戸時代初期の文化の発展に寄与しました。