中川衛なかがわまもる

時代 昭和22年〜
カテゴリー その他
作品種別 日本工芸会・金工
プロフィール 石川県出身。

中川衛(なかがわ まもる)氏は、1947年に石川県金沢市で生まれた日本の金工作家であり、重要無形文化財「彫金」の保持者、いわゆる人間国宝として知られています。​金沢美術工芸大学産業美術学科で工業デザインを専攻し、卒業後は大阪の松下電工(現・パナソニック)に入社し、美容家電製品などのプロダクトデザインに携わりました。 ​


27歳で金沢に戻り、石川県工業試験場に勤務していた際、石川県立美術館で開催されていた鐙(あぶみ)の展覧会を観たことがきっかけで、加賀象嵌(かがぞうがん)に魅了されました。​その後、彫金家の高橋介州氏に師事し、工業試験場での勤務と並行して修業を重ねました。 ​

2004年には、金工の技術継承に尽力した功績が認められ、重要無形文化財「彫金」の保持者(人間国宝)に認定されました。​また、母校の金沢美術工芸大学をはじめとする教育機関で後進の育成に尽力し、積極的に海外研修を行うなど、国際的な視野で活動を展開しています。 ​

2023年には、パナソニック汐留美術館で「中川 衛 美しき金工とデザイン」展が開催され、中川氏の初期から最近までの活動が幅広く紹介されました。 ​

中川氏は、工業デザイナーとしての経験を活かし、伝統的な加賀象嵌の技法に現代的なデザインを融合させた作品を多数制作しています。​彼の作品は、金属の冷たさとデザインの温かみが調和した独特の美しさを持ち、国内外で高い評価を受けています。