村越風月むらこしふうげつ

時代 昭和25年〜
標準発表価格 430,000 円
カテゴリー 陶磁器全般
作品種別 日本工芸会・陶芸
プロフィール 師 三代常山
愛知県出身。

村越風月(むらこし ふうげつ)氏は、1950年(昭和25年)に愛知県常滑市の窯元に生まれた陶芸家です。​高校在学中から人間国宝である三代山田常山氏に師事し、陶芸の道を歩み始めました。 ​

村越氏は、鉄分を多く含む常滑焼の朱泥土を用い、独自の調合で作品表面に深みを持たせています。​主にロクロ成形を行い、ロクロ挽きの味わいを残した作品が特徴です。​焼成方法としては、酸化焼成による朱泥や、還元焼成を取り入れた藻掛け急須、炭化による黒や赤と黒の二色の窯変作品など、多彩な技法を駆使しています。 ​

受賞歴も豊富で、日本伝統工芸展に7回入選し、第42回伝統工芸陶芸部会展では「日本工芸会賞」を受賞しています。​また、日本煎茶工芸展では第一席文部大臣奨励賞(第七回展)を受賞し、全日本煎茶道連盟賞(第八回展)も受賞しています。​さらに、長三賞陶業展で「長三賞」を受賞し、愛知県優秀技能者県知事表彰も受けています。 ​

村越氏は日本工芸会正会員であり、日本煎茶工芸協会の理事も務めています。​国内外の展覧会や個展で作品を発表し、常滑焼の伝統と革新を追求し続けています。 ​

彼の作品は、伝統的な技法と現代的な感性が融合したもので、特に急須は高い評価を受けています。​例えば、朱泥の急須は、持ち手と注ぎ口のバランスが絶妙で、「用と美」を追求した名人の技が光ります。​また、ロクロ目のアクセントが手仕事の温かみを感じさせます。 ​

村越風月氏は、常滑焼の伝統を守りつつ、新たな表現を模索し続ける陶芸家として、多くの人々に影響を与えています。