金重利右衛門かなしげりえもん

時代 大正11年〜
カテゴリー 陶磁器全般
作品種別 伝統工芸・異色作家
プロフィール 岡山県出身。

金重利右衛門(かねしげ りえもん)は、岡山県備前市に拠点を置く備前焼の名門「金重家」に伝わる襲名制の陶工名跡で、江戸時代中期に藩御用窯職人(御細工人)として初代が認定されて以来、約300年にわたり受け継がれています。​


歴史的背景と系譜

初代の任命(享保14年=1729年)
初代金重利右衛門(戒名:逸翁利右衛門)は岡山藩主より備前焼の御細工人に任命され、金重家を藩の公式窯元として確立しました。​

襲名制による継承
以来、名称は世襲制で継承され、現在は77代目。当主として「金重利陶苑」を運営し、250年以上にわたり同家総本家の地位を保っています。​

備前焼における位置づけ

日本六古窯の一つ
備前焼は無釉の素朴な風合いと高い堅牢性を特徴とする日本六古窯の最古窯産地のひとつで、金重利右衛門はその代表格として評価されています。​

近代以降の展開

廃藩置県後の多角化
明治以降、藩御用職の廃止に伴い備前焼の衰退が懸念されましたが、金重家は土管製造や戦時中の工業部品生産で窯を維持。戦後は再び伝統的茶道具・花器の制作に軸足を戻しました。​

現当主(77代 金重利右衛門)

生年と襲名
大正11年(1922年)生まれ。先代(76代・逸翁)の没後に襲名し、伝統技術を継承しながら独自の造形表現を追求しています。​
作風と評価

自然な焼成変化を重視
釉薬を用いず、焼成によって生まれる「胡麻(ごま)」「窯変」と呼ばれる自然な斑点や色調変化を最大限に活かした作品を制作。茶器、酒器、花入など多岐にわたる作品は国内外の伝統工芸展で高く評価されています。​
現在の活動と継承

金重利陶苑としての組織運営
有限会社金重利陶苑を運営し、若手陶芸家の育成や国内外での展覧会開催を通じて備前焼の継承・普及に尽力しています。​

参考文献・情報源
金重利右衛門とは【備前焼/窯元六姓/日本六古窯】(くらや)
備前焼窯元六姓の歴史と系譜(Kaneshige陶苑)
七十七代 金重利右衛門 当代略歴(城南骨董)